八話
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げる
「???あなたに追いついて見せる。私の初陣の時見せた、あの場所までいつか上がって見せます。同じ高さまでたどり着いて見せる」
そして表情を崩した彼女は、柔和な笑顔を浮かべる
「だから、帰ってきたらまた戦ってください」
その願いは無邪気で、そして純粋で?????今まで何度となく困らされたのに、断る言葉など不思議と浮かんでは来なかった
だからこそ自然と浮かんできた笑顔でもって答えを返す
「ええ、分かりました。楽しみにしています」
「ありがとうございます。……ああそれと、クオルラフィン卿もよろしくと」
そちらは是非とも遠慮したい。純粋でもベクトルが違いすぎる
「それはちょっと………そういえば、サヴァリスさんはどうしたんですか?」
思えば、ある意味一番の大敵になりそうなのに見えない姿に疑問を覚える
「クオルラフィン卿ですか? 彼なら、ここに来る前に陛下に顔面を掴まれている姿を見ましたけど」
「」
フェイスクラッチで天剣を落とす。まだあったことのない女王に対し、畏怖の念が浮かんだレイフォンだった
「では、そろそろ僕はこれで」
「はい。ではまた」
そういい、今度こそ停留所の方に向かう
既に出発の準備が済んでいたバスに乗り込み、席に座って振り返れば二人の姿が見える
こちらに向かって大きく手を振り、そして二人は何か話しながら帰って行った
自分が最後だったのだろう。それを見送るのと同時、バスは扉を閉め出発していった
グレンダンではレイフォンはトップクラスの実力者だった
年齢が低くとも戦場に出ることを許され、金銭を得ることが可能な環境
武芸が盛んであるが故、実力が高いものはある意味大人にも等しい扱いを受ける環境
そしてレイフォンは何年も戦い、天剣を除けばまず間違いなく最強だった戦績。孤児院の稼ぎ頭だった事実
だからこそみな気づかなかった。否、忘れてしまっていた
……常識的に考えて、十二歳というのは他都市では保護対象なのだということに。グレンダンが異常なのだということに
「……仕事が、ない」 INヨルテム
レイフォンの苦労はまだまだ続く
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