八話
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消されないようにと大きくなる声がレイフォンの耳に届く
「……どうしたの、リーリン?」
既に行くことは話、了承も得たはずなのに行く直前になってかけられた言葉にレイフォンは困惑する
「……うん。わがままだっていうのはわかってる。レイフォンが孤児院のために行こうとしているのも、絶対に帰ってくるのも分かってる。……でもやっぱり私、レイフォンがいなくなるのは寂しいよ……」
そういい、少しだけ顔をゆがませる
幼いゆえの不安定さゆえだろうか。見た目よりもずっと精神的に大人びているリーリンが、一度は納得したことを再び蒸し返そうとするのは
ここには彼女と自分しかいない。来るはずだった養父は、他の子どもたちを抑えるために孤児院に残っている
そんな幼馴染の心境を、理解は出来ずとも察することは出来たのか、停留所に向かっていた足を止め、レイフォンはリーリンに近づいて今度は自分からその手を握った
「手紙も書くよ。絶対に帰ってくる。……約束、絶対に守るから」
「……うん、わかった。わがまま言ってごめんね?」
その手に触れ、その力強い心に安心したのか柔らかくなった顔でリーリンがそう告げる
それを確認し、歩き始める
もう言葉はいらない。大きなバックと、手に持てる小さなポーチ一つ持ち、レイフォンは歩き出そうとし?????
「待ってください!!!」
????聞きなれた、大きな声に再度足を止めた
????人が降ってきた。否、とんできたというのが正しいだろう
地を蹴り、全力でここまで来たのだろう。降りてきた相手???クラリーベルは息を乱し、汗を顔に浮かべて肩で息をしている
「……どうしたんですか、クラリーベル様?」
突然の乱入に、自分でも困惑した声が出ていると理解できる
そんな自分の声に、息をある程度整え終えたのだろうクラリーベルが顔を上げる
「ハァ、ハァ……今日出る、ということなので、言いたいことがあるので会いに来ました」
「? なんでしょう?」
まさか彼女も行くなとでもいうのか。なまじ実力がある分、警戒を強くする
そんな自分に気づいているのかいないのか。クラリーベルが錬金鋼を取り出し復元したのに意識をこわばらせ、そして気づく
双剣使いであるはずの彼女が、一つしか復元していないことに
「私は、もっと強くなります」
右手に握った緋色の剣を横手に突き出しながらクラリーベルは宣言する
「鍛錬を欠かさず、抜打ちを高めます。ギャバネスト卿の指南を得て、化錬剄も習得して見せます。何度となく戦って、経験も積んで見せる。???そして」
緋色に美しく、されど脆弱さなど感じさせぬ愛剣を片手に視線をそらさず、強い意志を込めた眼差しで告
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