八話
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る気もするが、なんでも辛い経験が子供を 一回りも二回りも大きくするとか。確かに実力の面からみれば他都市では間違いなく最強と言える以上、実質的な危険などは少ないだろう
過去、他都市からここグレンダンにやってきた彼女には何か思うところでもあるのかは知らないが、もっと早く教えてもらいたかった
「しかしそうすると暇ね〜。……レイフォンの孤児院の子、確かリーリンちゃんだったかな? クララと一緒に行ってイタズラでもしてこようかしら」
『あらあら。カナリスさんは置いてけぼりですか?』
「なによデルボネ。あなたが早く教えてくれればよかっただけじゃない」
『陛下が自分から動くことはあまりありませんからね。やる気をそぐようなことは言えなかったんですよ』
念威端子から届いてきた非常に楽しげな声にげんなりとする
確かに、もっと早く知っていたらとっとと投げ出して自堕落な毎日を過ごしていたかもしれない
『しかし、これで少し寂しくなりますね。クラリーベルもレイフォンさんと仲良くしていましたから、寂しがるでしょうね』
「……あの子の場合だと、次に会うときには見返してやるって燃えそうだけどね」
『そうかもしれませんね。今のあの子には、憧れの気持ちの方が強いようですからね』
「憧れの相手に切りかかるってのはどうなのよ……?」
『子どもというのは、気になる子にはちょっかいをかけたがるものですよ。ほほえましいことです』
普通、それは性別が逆ではないだろうか
『それにしても……陛下が何もしないとは思いませんでしたよ。てっきりレイフォンさんの出立の邪魔でもするのかと思いましたが』
「それも考えたんだけどね……ほら、前に下の者のことも考えろって言われたじゃない? ま、どっか他に盗られるってわけでもないしね………一年やそこらで帰ってくるならいいわよ。次は逃さないけど」
直属の剣である天剣でもない、今のところただの一般市民でしかないレイフォンのことを強引に邪魔するのもどうかと思っただけ
少し前の反乱の際に言われたティグリスの言葉が、少しだけ影響した。ちゃんとグレンダンに戻るなら気にすることではないだろうと決断づけた
『陛下も成長しましたね。他を思いやるという心は、非常に大切なものです』
「……前々から思ってたんだけど、あんた達って私のことどう思ってるのよ?」
まったく。私の剣どもは私への敬意が足りない。アルシェイラはどうにもならない現実を前に、そう嘆いた
同じ顔の女性が泣きながら来るまで後十分
「やっぱり、止めない?」
都市の外縁にまで来れば、巨大な足が大地を踏みつけ、蹴りだす音があたり一帯に響き渡る
だからこそ、その音にかき
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