八話
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「もうすぐ、出るの?」
「……知ってたの、リーリン」
話があると告げ、自分に帰ってきた言葉にレイフォンは驚いた
「うん。一月半ぐらい前からかな。レイフォン何か悩んでたでしょ? 色々調べたりしてるみたいだったから、どんなこと調べてるか見てみたんだ。だから私は知ってたよ。お父さんは、気づいてなかったみたいだけど」
調べたものを見つからないようにはしていたものの、孤児院の中にある以上、リーリンの目を欺くことは出来なかったのだとレイフォンは理解する
「お父さんには、もう言ったの?」
「うん。許してもらえた。サイハーデンの宿命みたいなものだって言ってた」
僅かに口元を上げた、見れば微笑を浮かべているような表情のはずなのに、レイフォンはリーリンが笑っているようには見えない
「稼ぎ頭のレイフォンが出ていくだなんて、どうするつもりなのよ?」
「それなら大丈夫だよ。僕の貯金を全部使えば、数年は問題ないはずだから」
「……どうしてそんなに持ってるの?」
大体どのくらい維持費にかかるか知っているリーリンは、それがどれだけの金額なのかが分かり、驚愕の表情を浮かべる
「実はその、サヴァリスさんのお金とかがあって……」
流石に闇試合のことを言うわけにもいかないため、別の理由でごまかすために今まで言わなかったサヴァリスとのことについて話す
実際、これはまるきり嘘というわけではない
最初にサヴァリスに目をつけられてからもはや既に一年以上。それだけの間に何度となく襲撃され追い回され、時には傷を負った時もあった
どうやらそのことについての謝罪として、女王がサヴァリスの給金など諸々をレイフォンに回したらしい
ある日、理由もなく大金が振り込まれていたことに疑問を抱いたレイフォンが、いつものように出てきたサヴァリスに聞いて知ったことだ
それを聞いて一瞬喜んだが、サヴァリスの襲撃が王家公認であることを理解し絶望した
「そ、そうなんだ」
そのことなども含め、余りの内容にサヴァリスのこと等を聞いて顔を引きつらせるリーリンに、レイフォンは乾いた笑みが浮かぶ
……けっして、出稼ぎに行く理由はサヴァリス達から逃げるためではない。けっして
ちなみにティグリスからは孫の相手をしてもらっているということで、そこそこの金額を小遣いの様にもらっている
「でも、ずっとじゃないんでしょ?」
「父さんと話して、長くても一年半って決まったから大丈夫だよ」
一年半。放浪バスの都合で二年ほどになったとしても、それくらいならば十分に持つはずだ
「行く必要はあるの?」
「調べたら、他の都市の方がたくさん貰えるみたいなんだ。戦う機会は減るみたいだけど傭兵とか、色
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