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ドン=ジョヴァンニ
第二幕その五
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第二幕その五

「私ですよ。あのドン=ジョヴァンニの召使の」
「あの男の召使というと」
「はい、レポレロです」
 完全にレポレロになりきっていた。
「どうもです」
「そうか。貴方か」
 彼はあまりレポレロには敵意を持っていないようである。それが彼に化けているジョヴァンニには好都合に働いたのであった。
「それではだ」
「ええ」
「貴方に聞きたいのですが」
 やはり敵意は持っていなかった。穏やかな態度で聞いてきた。
「あの男は何処にいます?」
「旦那ですか」
「ええ。今何処に」
 このことを尋ねてきたのだった。
「いるんでしょうか。それで」
「うちの旦那を探し出してどうされるんですか?」
「それはもう決まってますよ」
 言わずもがなといった調子だった。
「あの男をとっちめる為にね。こうして銃やら棒やら持って探してるんですよ」
「ふん、できるものか」
 ジョヴァンニはそれを聞いて内心馬鹿にした言葉を呟いた。
「私を殺すことなぞな。誰にもできるものか」
「それであの男は何処に」
「ええ、実はですね」
 レポレロに戻って応える。
「私ももう旦那にはこりごりでしてね」
「それでどうされるんですか?」
「貴方達のお仲間に入れて下さい」 
 こう提案するのだった。
「是非。考えもありますし」
「考えですか」
「ええ。半分はあっちに」
 夜道の一方を指差して村人達に告げる。
「他の人はあっちに」
 続いてもう一方を。
「静かにそっと奴を探すんですよ。ここから遠くありません」
「そうか」
「なら」
「特にです」
 彼はさらに彼等に告げるのだった。
「一組の男女が広場にですね」
「広場に」
「そう、広場の辺りを散歩していたらです」
 二人がその辺りに言っていると察しをつけての言葉である。
「そして窓辺で恋を囁くのを聞いたら痛い目に逢わせてやるんですよ」
「ではそれが」
「ドン=ジョヴァンニ」
「ええ、そうです」
 そしてここで頷いてみせるのだった。
「それがあたしの旦那ですよ」
「よし、わかった」
「それがか」
「頭には白い羽の付いた帽子を被って」
 さらに言うのだった。
「腰には剣がありますからすぐにわかりますよ」
「よしっ!」
「じゃあ見つけて懲らしめてやる!」
「それでマゼット」
 続いてマゼットにも声をかけるのだった。
「あんたはあたしと一緒にな」
「貴方とですか」
「後は我々でやって」
「それはどうして」
「何があるかすぐにわかるから」 
 己の魂胆は隠していた。
「だから。いいね」
「はい、わかりました」
 マゼットは完全に彼をレポレロと信じて頷く。村人達はそれぞれ向かい後には二人になった。二人になるとレポレロに化けているジョ
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