七話
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めなかったのが減点かな? まあ、失敗だってわかったから止めたんだと善意的に解釈してあげましょう」
「ありがとうございます。やはり、急造の連携ではどうにもなりませんよ、カルヴァーンさん」
「……そうだな。ならば、戦場の流れに委ねるのみだ」
「そのほうがよろしいかと」
「………」
カルヴァーンの言葉に三人が同意し、無言で剄の圧力を高めていく
荒れ狂う剄が生む強風の中、庭園は竜巻の中のような激しさに見舞われる
「だーかーらー、ここは気に入ってるって言ったわよね? 君らに全力なんか出されて壊れたら困るのよ。だから……」
その中で動じず、微動だにしないアルシェイラは指を一本立て、片目を閉じ愛嬌を込めて囁く
「これで終わって☆」
両者の差があまりにも隔絶して違った場合、何が起こったのかを理解すらできないことがある
レベルが違うのではなく、次元が違う。だからこそ、次の瞬間に起こったことをミンスは一生理解できない
何一つ理解できぬまま、勝負がそれだけで終わった
「この度の一件、まさに不義不忠、度し難き行為でございますが、殿下の境遇を顧みるに、その血を守るために世にでることのならぬ身、そこから生まれたものでございます」
「……最初からそのつもり? つまんないわねから苦労性の性格直しなさいよ。めんどくさいことしないで最初っから三王家のシステムが悪いって言いなさい」
「ここまでこの性格で生きてきて、今更直すつもりはありませぬ」
はぁ。と息を吐き、自らの前で跪くカルヴァーンの姿にアルシェイラは眉をひそめる
この態度を見るに、最初から火消し役のためにミンスの方に付いたらしい。無論、天剣のことなどでも直訴があった以上そのこともあり、それゆえミンスに目をつけられ提案されたのだろう
その性格が災いして貧乏くじを引いたのだろう。難儀なものだと思う
こちらを見る顔は割れた額から流れる血で赤く染まり、そこに必死な目が加わるのだから気が重くなる
「……天剣への就任が本決まりになり次第、サイハーデンの武門は拡大することとなる。その時になったら費用をあんたら三武門で負担しなさい」
「??っつ! 陛下!」
「こんなことでわたしの剣を減らすつもりはないわ。で? サヴァリス。満足した?」
「……いや、さすがにお強い」
カルヴァーンの願いへの答えを明確にしないまま、残りの二人の方に顔を向け、サヴァリスに話しかける
見た限り、三人の中で一番ダメージが少なく、折れた左腕を支えて脂汗を流しながら笑顔を浮かべている
「もう少しいい勝負ができると思ったのですが」
「考えが甘いのよ。で、カナリスは?」
「………っ!」
三人の中で一番損傷が大きいのか
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