七話
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ェイラは言葉を続ける
「強さを持たぬ武芸者なんて意味がないのと一緒。それだっていうのに相続がどうだ、三王家の威信がなんて思うなんててんで的外れの考えよ。最後の一人だからってなんだっていうのかしらね。そうでしょう?」
まるで似合わない掃除機を使う姿のまま、そう宣言する
そんなの当たり前だとリンテンスは思考する。生まれながらの王、生まれながらの強者としての格を持つ彼女が、誰かに従うという侍女のスタイルに合う訳がない
「まあ、馬鹿がどんな風に踊ってくれるかは楽しみにしてるわ。最近退屈だし。だからリン、次の老性体はあなたに出てもらうつもりだから」
言葉とは裏腹に拒否を許さない断定口調で告げられ、リンテンスは掃除機の音を切り捨てるために目を閉じた
「やはり、リンテンスは抱きこめなかったか」
「だから言ったでしょう。彼らは外来者。陛下の手駒ですよ」
贅を凝らされた料理が並ぶ円卓に座る四人の内、ミンスが発した言葉に、カルヴァーンが言葉を返す
結果が分かっていたこととはいえ、ミンスにとって鋼糸という武器は不可解であり、恐怖に値するため浮かべる表情は苦い
「それよりも、そのことで陛下に情報が流れるのでは?」
「無用の心配だ。あの女の性格上、こちらの意図を読んでいるなら全て受けて立つだろう。それと……カルヴァーン」
「ええ。この間、今回の事について陛下に苦言を申しに行った際に聞き及んだことですが、次の出陣はリンテンスにするつもりだと言う様な旨を言っていました」
ならさりげなく話題に出そうとしていたのだが、何気なく向こうから漏らしてくれたので行幸と言える
その会話を聞き、質問をした青年、サヴァリスは楽しげに笑う
「あの方らしいですね」
「サヴァリス。貴様は陛下に勝てるつもりなのか?」
「おや、そのつもりだからここにいるのでは?」
「私は、今の状況が良いことにならぬと申し上げたいのみだ。だが、陛下はお聞きにならない。天剣が揃うのはめでたいが、幼すぎる。聞いたところでは、十一だそうではないか……」
「若さが理由では説得力に欠けますよ。僕が十三。そちらのカナリスさんは十五の時だ。このまま順当にいけば、陛下は最年少記録を塗り替えることとなりますね。となると、ティグリス様かデルボネさんの後人は一桁でしょうか?」
「遊びではないのだぞ!」
「まあまあ、落ち着きたまえ」
憤りのままにカルヴァーンが円卓を叩き、料理がこぼれてミンスはやんわりとカルヴァーンをたしなめる
そんな中、最後の一人であるカナリスは沈黙を保ち続けたまま、こぼれたソースの染みが広がって行くのを不快そうに眺め
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