七話
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らね。驚きのひどさね」
そういいつつ、見ため二十歳前の侍女風の女性が掃除機を構えて入ってくる
女性はそのままリンテンスの横を通り、閉められていた窓を開ける
新鮮な風が開け放たれた窓からか入ってくるが、隣の建物との間にあるゴミ置き場の匂いも運ばれ、鋭敏なリンテンスの嗅覚を刺激する
「埃の数まで増えないと納得できないの? この大量数字マニアめ」
「……六〇四八〇〇秒前にも言った。ほっとけクソ陛下」
「文句があるならもっと良いとこ移りなさい。天剣をこんな場所に置いておくと、アルモニス戴冠家の器量が疑われるのよ。それにその無愛想を崩さないもんだから、派遣した侍女が辞めさせてくれって泣きついてばかりで、この間四十人を超えたのよ」
「だからほっておけ。この会話も四十回目だ」
ソファから動かないままリンテンスが窓を閉めるが直ぐに開けられ、女性???女王アルシェイラは閉められないように窓に絡んだ鋼糸を手で引き?し、手を振り払って絡んだ鋼糸を振り払う
「いつもそんなカッコばかりして、私があげたのはどうしたのよ? ちゃんとあんたの好みに合わせたのに」
「チンピラ映画の見過ぎだ」
「似合うはずよ。あんたに見られてビビらない悪党がいたら見てみたいわ」
くだらない言葉の応酬が繰り返される中、アルシェイラは特有の吸引音を発し始めた掃除機をかける
それを不機嫌そうな、リンテンスにとってはいつも通りの視線で見ながら、小さく呟く
「命を狙われているぞ」
「知ってるわよ」
アルシェイラが手を止めぬまま軽く返す
「自分の程をわきまえないから、馬鹿は困るわね」
「天剣を抱きこもうとしている」
「そこが馬鹿の馬鹿たる所以よね。ダダ漏れじゃない」
「お前に不満持たない天剣がいないわけじゃないだろう」
「だから何?」
かつての王の代において、他の都市の武芸者を天剣に迎え入れた例はさほど多くなく、精々一代につき一人
しかし、現女王のアルシェイラは違う。リンテンスを始めとしカウンティアとリヴァース三人をまたたく間に天剣に迎え入れた
実力主義が信条の武芸者とはいえ、閉鎖社会であるこの世界において様々な物は馴染むのに時間を必要とし、今の現状は由緒正しいグレンダンの武芸者一族たちの不評を買っている
しかし、その上でアルシェイラは一切動じずに言い放つ
「不満を持つ、気に入らない、だから潰す、大いに結構。文句があればかかってくればいい。王家と言っても所詮、当時一番強かった武芸者の血筋だったと言うだけ。自分の方が強いというのなら力で踏みにじればいいのよ。その全てをたたきつぶすのが私の役目だわ」
それに、とアルシ
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