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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
幕間
Trick-01_し、しのっぷ?
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・・そんななぜ!?」

「慌てることはありませんよ」

聞き覚えのない声だった。これまで実験室にいた人ではない。

「君は、南博士!?」

そこには、別の研究グループのはずの男がいた。

「いや、勝手に失礼しますよ。しかし面白い。これはもしかして、私のあの理論と
 同じものかもしれませんね」

「理論?」

「はい。現在、実験に入る準備をしている理論です。

 あなたはクマバチを知っていますか? 日本でも普通に見ることができる蜂です。

 この蜂の特徴、いえ、私が注目しているところですが、この蜂は羽が小さすぎて
 空気力学的は飛ぶことが不可能な生物なのです。

 それがなぜか飛べる。彼らは自分が飛べないことを知らない。
 自分が飛べることを信じて疑わない故に飛べるのです。

 もし、その気持ちを人が持つことができたとしたら」

「ま、まさか」

「そう、彼も今同じ状況なのですよ。

 『SkyLink』にはデータベース部があります。全ライダーの走りの記録が詰まった場所が。
 開発者アクセスができなくても、脳で直接アクセスしたのなら触れたはずです。

 今までの全てのA・Tを使ってきた人間の技を、そして空を飛んだ気持ちを」

僕は一歩、歩き出した。

その光景に、南と呼ばれた人以外はとても驚いた。

「そんなばかな・・」

「科学者だからこそ、目の前に起きた状況を認めないのはよくありませんよ。

 ところで、この実験の結果を引き継いで私の研究チームにあなた方は入る気は
 ありませんか?」

「あなたのチーム?」

「はい、今度は重力子(グラビディチルドレン)のように、
 (ハード)を強化するのではなく気持ち(ソフト)を改造しようと
 考えているんです。

 今回のの実験結果は私の研究にかなり役に立ちます。どうですか?」

「も、もちろん協力する! 優秀な君のチームに入れるなんて喜びの極みだよ!
 ぜひ参加させてくれ!!」

「ありがとうございます。

 ところで、必要なのは研究データだけでいいので、この少年の処分は私に任せて
 もらっていいですか?」

「ああ! 構わないよ! 私達は急いでアクセス記録をまとめる!
 それで、君の行う研究の名前はなにかね!?」

「それはですね。名前はまだ決めていなかったのですが・・・

 この実験名を参考にして『脳基移植(ブレインチャージャー)』とでも名付けます」




僕は南と呼ばれていた男に連れられて研究所の外へ出た。

処分されると言っていたが、男はなんも変哲もない普通の家に僕を連れてきた。

「立花君、いるかね?」

「あれ、どうしたんですか先輩?」


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