暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX 〜水と氷の交響曲〜
ターン23 吸血美女と5000年の負の歴史
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なパワーで攻め続けていく。そしてカミューラをあと一歩のところまで追いつめたところで、そういったことに関しては素人の僕から見てもわかるぐらい闇の力がこもったあるカードを彼女がドローした。

「魔法カード、幻魔の扉を発動!相手モンスターをすべて破壊し、その後お互いの墓地の中からモンスターを1体を召喚条件を無視して特殊召喚する!」
「サンダー・ボルト効果に加えて死者蘇生の完全上位交換!?そんな無茶な、インチキカードもいい加減にしやがれ!」

 思わず突っ込んだけど、効果の説明にはまだ続きがあるらしい。

「ただし、このカードにはそれ相応のリスクがある。このカードを使い敗北したプレーヤーは、幻魔に魂を捧げなければならない!でも、ただ私の魂を使うだけじゃ芸がないと思わない?そこで私は、今日の特別ゲストの魂を代わりに賭けさせてもらうわ」

 そう言ってパチンと指を鳴らすと、カミューラの分身がなんの脈絡もなく彼女の後ろから現れる。吸血鬼すげえ。そのわきに抱えていた、今は気絶してるらしくてぐったりしてるけど見覚えのあるメガネのレッド生はまさか。

「翔!!」

 最悪の予感は見事に的中した。僕らのよき友人でありカイザーの弟でもある、翔がそこにいたのだ。

「私はこの坊やの魂を生け贄とし、あなたのサイバー・バリア・ドラゴンとサイバー・レーザー・ドラゴンを破壊!そして、サイバー・エンド・ドラゴンを召喚条件を無視して特殊召喚!」

 サイバー・エンド・ドラゴン 攻4000

「これで終わりよ、サイバー・エンド・ドラゴンでプレイヤーにダイレクトアタック!」

 カイザーの場にはまだ伏せカードがあったけど、カイザーはそれをちらりと見たのみで結局何もせずに3つ首機械竜の光線に呑みこまれた。

 亮 LP0

「ぐっ………!」
「さあ、いい子ね。あなたの魂をいただくわよ!」
「待て、カミューラ……!」

 ライフも無くなってふらふらになりながら、最後の意地を振り絞ってカミューラを睨みつけるカイザー。その目からは、まだ闘志は消えてなかった。

「あら、どうしたのかしら?」
「その前に、俺の……俺のサイバー・エンドを、返してもらうぞ!」

 サイバー・エンド・ドラゴンのカードはカミューラが復活させて彼女の場に呼んだカードだから、彼女のデュエルディスクのモンスターゾーンにセットされたままだ。多分、それのことを言ってるんだろう。よほどカイザーを倒したことがうれしいのか、カミューラはその頼みを快諾した。

「ああ、このカードかしら?いいわよ、最後にそれくらいの頼みはお姉さん聞いてあげるわよ」

 そう言って無造作に片手で投げつけたサイバーエンド・ドラゴンのカードが宙を飛んでカイザーの目の前の床に突き刺さる。人のカードをあん
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