ターン23 吸血美女と5000年の負の歴史
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「だから叫ばないで〜、だってば〜!!」
ついさっきまで何にもなかったはずななのに、今見たら霧の中にぼんやりとかすんで見える城。そして、その方角から水上を突っ切って伸びているレッドカーペット。まあここまでお膳立てしてもらったんだ、行かないってのはさすがにありえないだろう。
「よいしょ、っと」
ひょいっと飛び乗る。あら、思ったより足場しっかりしてるのね。これで、後はここをまっすぐ進んでいけばあのうすぼんやりと見える、ここにあるはずのないあの建物にたどり着けるだろう。つーか、これで罠だったら性格悪すぎんぞ。もしそんなことやられたら、この鍵その場でへし折って再現不可能にしてやる。
「おい、そこで何をしている!危険だからそこには立ち入るな……お前ら、何をしてるんだこんなところで!?」
ギギギギギ、と音がするぐらいゆっくりぎこちなく振り返ると、そこにはこめかみに青筋立てて静かに怒ってるカイザーの姿があった。………ばれた。
「えっと、カイザーさん?まだ怒ってる?」
「…………。黙っていろ」
「ハイ」
結局、今はそれどころではないということでお説教はされなかった。帰れとは一言も言われてないので、許可が下りたと解釈して勝手に後ろをついていく。目つきがとても怖かったけど、やっぱり何も言わなかったのでこちらも余計なことは言わないようにして黙って歩く。と、カイザーが歩みを止めた。慌てて僕らも進むのをやめると、これまでのような通路ではなく大広間のようになった一つの部屋になっていた。そして、その上にいたのは。
「カミューラ!」
「あら、後ろの坊や達まで呼んだ覚えはないのだけれど……まあいいわ、今度の相手は全員鍵を持ってるみたいだし、こっちの彼を倒した後でなら遊んであげてもいいわよ?」
「………清明に手を出さないで、この面食い年増。だってさ」
ボソッと夢想が呟いたその一言は、どうも地獄耳のデビルイヤーにははっきり聞こえていたらしい。というか夢想さん、なんでいきなり誰よりも早くケンカ売ってんですか。
「なんですってぇ……?」
あ、案の定キレた。やっぱ女性に年の話ってしちゃいけないのね。一瞬だけ二人の間に火花が散った気がしたけど、先に冷静になったのはカミューラの方だった。
「まあいいわ、今はあなたの番。さあ、私とデュエルをして下さらない?」
「あいにくだが、俺にも好みがあるのでな。だが、今は好き嫌いは言ってられん。俺が勝ったらクロノス教諭は元に戻してもらうぞ」
「いいわよ?そのかわり、私が勝てばあなたの魂をこの人形にいただくわ」
「「デュエル!」」
そして始まった二人のデュエル。今日のカイザーは相当頭にきているらしく、いつものリスペクトデュエルを放棄するような圧倒的
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