暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX 〜水と氷の交響曲〜
ターン23 吸血美女と5000年の負の歴史
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と僕以外の皆はカミューラ探しに行っていた。本当は僕も行きたかったんだけど、まだ体が本調子じゃない今行ったって途中で力尽きて迷惑になるだけだ。それがわかってるから、おとなしく留守番。夢想は、もし今の僕のところにカミューラが来たら、という心配から自発的に残ってくれている。ユーノとシャーク・サッカーも残りたがってたけど、結局は十代達についていった。鮎川先生も他のクラスの明日の授業の用意があるとやらで隣の部屋にいる。だから僕は今、意識不明の吹雪さんを除けば彼女と二人なわけで。

「えーっと……」
「どうしたの、どこか痛いの?それともお腹すいた?飲み物持ってこようか?だってさ」

 好意はありがたいです。倒れてる間寝ずに看病してくれてたみたいで、とてもとても感謝してます。だけど、だけど正直に一言だけ言わせてもらえるならば。

「大丈夫だよ、なんだって。鮎川先生もこの分ならすぐよくなるって言ってたし、今は無理しないでね、だって」

 居心地、悪いです。すごく。いつもだったらちょっとお金に余裕ができてワクワクしながら新しいパックを買った時並みに手放しで喜んでる状況なんだろうけど、昨日の今日じゃとてもそんなドキドキするような気分にはなれません。ちくしょう、こんなイベント一生に何回あるか分かったもんじゃないってのに……。これというのも間違いなく、全部が全部カミューラのせいだ!吸血鬼、許すまじ。
 そんな下心丸出しの怒りに燃えて決意を新たにし、クロノス先生を助けて心置きなくこの状況を満喫するためにも夢想にある『お願い』をした。
 んで、その5分後。正直もうちょっと説得には手間取るかと思ってたのでうれしい誤算だったけど、ともかく。

「清明、本当に動ける?無理してない?だってさ」
「余裕余裕。どってことないよ、もう大丈夫」

 突然だけど、脱走って素晴らしい言葉だと思う。ただし、

「ただし、自分でやる場合に限る、とか?」
「さっすが夢想、ご名算」
「まったく……なんだって」

 という訳でただ今、二人で抜け出してカミューラ探してます。さっさとあんな吸血鬼ぶっ飛ばして、一回死んでからついに僕にも来た青春をエンジョイするんだ!後になって考えれば、この時の僕は明らかにおかしかったと思う。体の痛みが不自然なほど消えて、気分も妙に高揚してきてたし。例えるなら、ちょうどダークネス戦と同じようなことになりかけていた。

「出て来い、カミューラアァァァ!!!!」
「待ってー!そんなに叫んだら体に響くし皆に見つかっちゃうよ、だってー!!」

 そんな会話をしながら、なんとなくクロノス先生が以前デュエルした湖までやって来た。ここにいるんなら手間が省けてよかったんだけど、さすがにそんなことはな……い………か…………って、

「あったー!?」

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