ターン23 吸血美女と5000年の負の歴史
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ッキをデュエルディスクから取り出し、その中から霧の王のカードを掲げてみる。お願い相棒、力を貸して!そう心の中で呟いた瞬間、きれいな青い光がカードからほとばしる。そして光が収まった時、そこに立っていた一つの影。僕がデュエルを始めるきっかけになったカードであり、どんなデッキにも必ず入れていたカード。ユーノは自分がいた世界の話をなぜかめったにしてくれないけど、それでもこのカードと出会ってからは僕と似たようなものだったらしい。
「霧の王………」
ついにソリットビジョンじゃない実体化した霧の王が、僕に向かってコクリとうなずく。そして右手の大剣を一振りすると、一瞬で道をふさいでいた瓦礫の山が消滅した。魔法が凄いのか剣が凄いのかはよくわからないけど、とにかく霧の王はできる子だってことはよくわかった。
そう思ってわずか一分後。僕たち3人+人形1個は、湖のほとりに立っていた。
「訂正。スペック高いとかできる子とか通り越してとんでもないチートっ子じゃないですかー」
助かった、とか嬉しい、とかよりもここまであっさりしてると正直呆れの方が先にくる。ちなみにあれよあれよという間にゆく手を阻むがれきを消し去り、僕らのことを抱え上げて文字通りのひとっとびで元の場所まで運んでくれた当の本人は、僕のすぐそばで何も言わずに立っている。
あ、そうだ。せっかくだからこれも頼んでみよっと。
「ねえ霧の王、この人形元に戻せたりとかする?」
そう言ってポケットからカイザー人形を取り出して見せる。最初のうちはカミューラも倒したんだしすぐ元に戻るだろう、なんて思ってたけどいつまでたっても人形のままで、そろそろ不安になってきたのだ。さすがに多くを求めすぎた気もするけど、彼(?)はあっさり頷くと、僕の手から人形を受け取ってそれを地面に置いた。そして手をかざすと、地面に魔法陣が浮かび上がる。そして魔法陣の中心で光が弾けると、さっきまで人形の転がっていた位置にはカイザーが座り込んでいた。うーむ、霧の王が魔法使いっぽいとこ見るのってこれが初めてな気がする。
「すまなかったな、清明。俺が不甲斐ないばかりに」
「いや、いいっていいって。もうこれで皆助かったんだし、ひとまずハッピーエンドってことでいいじゃないの。それとありがとう、霧の王。これからもよろしく!」
霧の王にお礼を言ってカードの中に戻ってもらい、相変わらず律儀なカイザーに軽く返事してから、ふと思い立ってデッキを取り出してみる。地縛神、地縛神………あった。
地縛神 Chacu Challhua
効果モンスター
星10/闇属性/魚族/攻2900/守2400
「地縛神」と名のついたモンスターはフィールド上に1体しか表側表示で存在できない。
フィールド魔法カードが
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