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第五十九話 水の中の闘い
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そう心の中で愚痴るソレイユだったが、実際にはソレイユが水龍と戦闘を開始してから五分ほどしか経過してないのであるが。

「(さて、あと少しか・・・)」

水龍のHPはほとんどなく、ソレイユのHPはほぼ全快な状態である。もはや、力の差は歴然だった。リーファの言っていたことは正しい。常人にはこの水龍は手ごわく感じるだろう。それこそ、水中活動が種族特性として設定されているウンディーネの支援が必要なほどに。だが、ソレイユを常人の枠にはめていいわけがない。Mobとはいえ、一万の敵をいっせいに相手にして笑っていられるほどである。これを考えるだけでもソレイユの戦闘力は、一人で一個師団並みというわけだ。これを常人の枠に入れるやつがどこにいる。いや、いない(反語)。
それに極めつけは――

「(いっちゃあなんだが、≪クリスタル・オーシャン≫より弱いんだよなぁ・・・)」

海の獣神との死闘が(水中戦に限りだが)ソレイユをここまで強くした。もはや、あのクラス以上のMobが出現しなければソレイユを倒すことなど水中戦といえど不可能だろう。

「(んじゃ、これで終わりっと)」

懲りずに突進を敢行してきた水龍を最小限の動きで避けると、カウンター気味に剣を振るう。それが水龍の残りのHPを消滅させた。五分間という短い先頭時間だったが、久しぶりに水中戦を堪能したソレイユだった。

「(さて、何が出たかな・・・おっ)」

Mobを倒せば相応の戦利品がもらえるのがRPGというゲームである。それは、このアルヴヘイム・オンラインも例外ではない。アイテムウインドウを開き、戦利品を確認しているとなにやら見知ったアイテムが出てきた。

「(こんなところで、またお目にかかるとは思っても見なかったぜ・・・グリモワール)」

こうもこのアイテムを目にする機会が多いと本当に希少アイテムなのか疑いたくなるソレイユ。果たしてこれが何%の確率で出現するのか、知りたいような知りたくないような。まぁ、それはソレイユが異常なだけで、これほどこのアイテムとめぐり合うプレイヤーなどそうはいない。

「(まぁ、出たんなら使ってみっか)」

上では仲間が戦っているというのに暢気な事を言いながらアイテムウインドウを操作していくソレイユ。グリモワールを実体化させ、表紙の部分をタップして使用する。

【特殊魔法を習得します。よろしいですか?Yes/No】

表示されたそれのYesボタンを押すと本のページが自動的にめくれそして、あるページが開かれた。そこに記されていたのは――

【強化魔法「燃え盛る天空の太陽」を習得しました】

というものだった。よりにもよって、一番出現率が低いものを当ててしまった。後にこれを聞いたルシフェルは呆れてものが言えなかったという。まぁ、それも仕方な
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