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第五十九話 水の中の闘い
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えて再びソレイユに突進していく。だが――

「(オーシャンの方が早かったんだよねー)」

先ほどよりもワンテンポ早く体を横に捻り突進を避けたソレイユはエクリシスを抜き放ち、突進中の水龍へとその刃を振るっていく。水龍が起こす水流などお構いなしに。突進中なためさすがによける術を持たない水龍はその刃を受けてしまいダメージを喰らう。再び華麗な動きで身を翻す水龍はたいしたダメージになっていないようであった。
そんな水龍にソレイユ少しでも近づこうと、エクリシスを持ったまま水を蹴って、掻き分けながら泳いでいく。だが、そんなソレイユを嘲笑かのごとく、巨大な口を開き、周囲の水を吸い込んでいく。

「(ふむ・・・)」

あまり良い予感がしなかったソレイユは、咄嗟に体を横に捻り水龍の正面から外れるように移動した。そして、次の瞬間、先ほどまでソレイユのいた場所を何かが通り抜けて行った。

「(・・・ウォーターカッターみたいなもんか。オーシャンも似たようなことやってたしな・・・規模は全然違うけど・・・)」

冷静に分析するソレイユ。予備動作が大きいのでそれにさえ注意しておけば食らうことはまずないだろう。そして、ウォーターカッターの隙のおかげである程度接近出来たソレイユ。

「(さて、ここはおれの間合いですよっと)」

そして顔面に向かって刀を振りぬくも、それに構わず水龍がソレイユのことを飲み込もうと口を開きながら迫ってくるが、それを体を捻って横に回避する。空振りした口が勢いよく閉じられたところで、ソレイユは右目の一つに向かって突きを放つ。さすがの水龍と言えど絶妙なタイミングで繰り出された突きを躱すことはできず、目に突き刺されてしまった。さらにそこから抉るように刀を捻ってから、刀を引き抜くソレイユ。さらにその勢いを利用して、もう一つの眼も潰そうと考えたソレイユであったが、さすがに水龍はそれを許さなかった。ソレイユが眼をつぶすために突きを繰り出す直前、水龍は一度後方へ体をしならせると、口を大きく開き直線的な線を描きながら突進を繰り出してきた。

「(ちっ!!)」

後方へしならせられた時に即座に攻撃の手を止め、その場を離れたのが幸いした。直線的な突進に巻きい込まれず、ぎりぎりで回避することができたソレイユは体勢を立て直す。

「(さて、どう戦おうか・・・)」

これからどのようにして水龍と戦っていくか考えるソレイユ。 ウンディーネではないソレイユが水中にいる時間は限られている。なので、必然的に短期決戦をしなければならないのだ。

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

「(やれやれ、ずいぶんてこずらせてくれたな・・・)」


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