第八章 望郷の小夜曲
第七話 捜索隊
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き、ガクリと首を落としブツブツと何やら呟くルイズの様子に、流石に哀れに思ったキュルケとシエスタが必死に励ましにかかる。
「そ、そんなに気にしなくていいんじゃない。胸が大きかったら色々と苦労することが多いのよ」
「そ、、そうですよ。それに言うじゃないないですか。胸に貴賎はないって」
「うるさいうるさいっ! そんなの全部持てる者の言うことよっ! わたしだって『あ〜胸が大きくて肩が凝ったな!』とか『ふふ、胸は大きさじゃないわよ』とか言いたいわよっ!!」
ぎゃーっ!! と雄叫びを上げる狼のように、地面に四つん這いになったルイズが叫ぶ。
その余りのルイズの剣幕に、キュルケとシエスタは顔を強ばらせ後ずさる。
手をつけられないルイズに手をこまねいた二人がどうしようかと頭を悩ませていると、背後から歓声が聞こえてきた。
「何?」
「何でしょうか?」
目の前で蹲り、ぶつぶつとヤバイ人のように呟いているルイズから背後に視線を移動させると、何やら遠くで人だかりが出来ていた。
「っ、る、ルイズっ! ほら見てっ! 何かやっているわよ! ちょっと行ってみましょうよ!」
「行きましょうルイズっ! ほら立って!」
地面にへばりついたルイズを二人がかりで引き剥がすと、ズルズルと引きずりながら人だかりに向かって進み始める。
「ほら見て、人形劇をやっているわよ」
「すごいですよ。人形が勝手に動いてますっ!」
「……ふ〜ん。アルヴィーの演劇か」
無理矢理立たされたルイズが、のろのろと視線を向けると、見物客の足元ではたくさんの小さな人形が何やら動いていた。
「アルヴィーですか?」
ルイズが興味を示したことを敏感に察したシエスタが、ずいっと顔を近づけ問いかける。ルイズは足元でくるくると踊る騎士や兵隊など色々な人形を見下ろしながら、こくんと頷くと人差し指を立てた。
「アルヴィーって言うのはね。ガーゴイルの一種よ。あなたも見たことあるはずよ。学院の食堂の周りに小さな像が立っているじゃない。あれがアルヴィーよ」
「ああ、あれですか。夜になると動くって聞いたことはあるんですけど。動いているところは見たことがなかったんですよ。へ〜こんな感じに動くんですね」
感心したように頷きながら、シエスタは興味深々にアルヴィーに見下ろすルイズをチラリと見る。ルイズを挟んだ向こうには、同じようにキュルケも見下ろしている。どうやら落ち着いたようだとキュルケと顔を見合わせ頷くシエスタ。ほっと息を着くと、ルイズと同じように踊るアルヴィーを見下ろす。
「凄いですね」
「そうね」
顔を綻ばせ、シエスタはアルヴィーによる劇を眺める。
劇はどうやら剣士が主人公の劇のようだ。
剣士が剣を振るたびにメイ
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