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鋼殻のレギオス IFの物語
六話
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しいよね」
「うん! それに兄ちゃん押しに弱いから、頼めば作ってくれるんだぜ?」
『あらあら。それは是非とも相伴に預かりたいですね。……あら、噂をすれば』

 室内に弟たちと居たのは人ではなく、宙に浮く念威端子
 自分の記憶が正しければ、弟たちが気安く話しかけているその人物は確か????

「キュアンテス、卿?」
『ええ、正解です。ただ出来れば、もっと気さくに呼んでくれると嬉しいですよ、レイフォン・アルセイフ』

 ふよふよとこちらに向かいながら言われる言葉に戸惑いながら、何とか返す
 子供たち既にこちらになど関心は無く、お菓子に群がっている

「キュア……デルボネ様は、何を?」
『今ちょうど、あなたの事を聞いていた所です。随分好かれているようですね。まるで孫と話しているようで楽しかったですよ』
「あ、ええと……ありがとうございます」
『ああ、それと。先日はご苦労様でした』

 恐らく、つい先日の後見人の事だろう。あの後、ティグリス様からも礼を言われたが、未だに天剣の人から礼を言われるのには慣れない。日ごろあっている人があれだけに

「ありがとうございます。それよりも、僕なんかでよかったんでしょうか?」
『謙遜することはありませんよ。あの子と同年代で十分な強さを持っていると聞いていたので頼んだのですが、あなたは十分に役目を果たしてくれました』
「それなら良かっ……た!?」

 何かミスをしていないかと少し心配だったのだが、その言葉を聞いて安心すると同時に、もう食べ終わり、お皿を返すのと同時に突っ込んできた弟たちに、レイフォンはよろめきながらもなんとか踏ん張る

『あらあら、大丈夫ですか? それはそうと、これから何か用でもありますか?』
「いえ、少し外に出ようと思っているだけで、特に何も有りませんが……。あの何かご用でしょうか」
『いえ、少し聞いてみただけです。私の方からは、特に何もありませんよ。では、そろそろお暇するとしましょう』

 またこの間のようなものかと少し身構えるが、特に何もないようなので安心する
 窓から出て行こうとする端子に向かい、子供たちがまた来てねーなどと言うのに続き、レイフォンも別れの言葉を告げるのに対し、デルボネも最後に一言、言葉を返す

『ええ。????では、良き出会いを』




(あれはどういう意味なんだろう)

 外を歩きながら、レイフォンは最後にかけられた言葉の意味を考える
 
(“良き出会いを”って、どういうことだろう? 今日弟たちと会ったこと? でもそれならもっと前にはずだし、これからのこと? それとも、サヴァリスさんみたいな口癖?)

 もっとも、サヴァリスの場合は“殺らないか?”みたいなノリのものばかりだが
 それから比べれば随分
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