第五十三話
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の浮遊城《アインクラッド》の二年間を、無事に生き延びさせてくれた剣術を。
ヒースクリフは……茅場晶彦は自らの全てを捧げた、新たな世界にむけデザインした、最強を誇ってきたソードスキルを。
「チィッ……!」
しかしその最強を誇っていたソードスキルの威力は歴然で、俺の愛刀たる日本刀《銀ノ月》の切っ先が破壊され始めていく。
「もう保たないようだな、その日本刀も……」
ヒースクリフの冷徹な瞳がそれを見逃すはずもなく、そのまま更に力を込めていくと、その日本刀《銀ノ月》の崩壊は更に刀身にまで伝わっていく。
「悪いなリズ、お前がせっかく作ってくれたのに壊しちまうかもしれん……」
このままでは敗北することも必至……心中で親友に謝ると、左腕でシステムメニューを操作し、とあるアイテム欄を目指した。
そのアイテム欄とは『フレンド共有アイテム欄』――フレンドとアイテム欄を共有することで、そのアイテム欄のみ共有出来るというものだ。
「借りるぞ――リズッ!」
スカルリーパー戦が終わってから……いや、ヒースクリフと共にこの空間に来てからアイテム欄に追加された武器《モーメント・ハンマー》なる武器を、ボロボロになっている左手に無理やり掴む。
「ハンマー……だと!?」
「ああ、俺の親友の……いや、俺の好きな人のハンマーだよッ!」
このハンマーは確かにリズが普段から愛用してきたハンマーであり、それが共有アイテム欄に入れられているということは、アスナが俺との約束を守ってリズに今の状況を言ってくれたのだろう。
その証拠にこのハンマーには……『返しに帰って来て』と刻んであったのだから。
「行くぞ、ヒースクリフ!」
ヒースクリフの十字剣を受け止めたダメージが残っていてボロボロだったが、無理やり左手にハンマーを握り込むと――痛いが我慢出来ない程じゃない――そのハンマーを思いっきり、日本刀《銀ノ月》の柄にぶち当てた。
まるで釘を木材に当てるように、日本刀《銀ノ月》をハンマーで殴りつけ、その勢いは斬撃術《朔望月》の分も含めて更に加速した……!
「貫けぇぇぇぇぇぇぇッ!」
左手からリズのハンマーを共有アイテム欄に戻し、俺の全身全霊の一撃がヒースクリフの大盾へと注がれる。
ただでさえ破損しかかっていた、その銀色の刀身は更に破壊していき、日本刀《銀ノ月》が大盾を貫くか先に壊れるか……!
「……くっ、このタイミングで!」
ヒースクリフの大盾を覆っていた真紅のライトエフェクトが消えていき、ソードスキルの持続時間が終わったことを示し――それと同時に、破れるもの無しと謳われたその大盾にも傷がつき始めた。
「貫けっ……貫けよッ!」
「ええい!」
そして俺の愛刀が先に壊れ
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