第五十三話
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狙いは《恐怖の予測線》によって表示される予測線の最後方、ギリギリ俺が『恐怖』を感じない場所……つまり、ヒースクリフの十字剣の『柄』の部分。
いくら最強のソードスキルであろうと、その効果範囲は刀身のみであり、使っている剣の柄までは『最強』じゃない……!
「そこだぁぁぁぁッ!」
それでも剣の柄だけを狙うというのは難しく、少しでも場所がズレてしまえば刀身かヒースクリフの腕甲に当たってしまう。
だが俺の《恐怖の予測線》があれば、『柄』だけを斬り裂くことは容易い……!
鞘から高速で抜き放たれた日本刀《銀ノ月》は、吸い込まれるかのように十字剣の鞘に向かっていき、ソードスキル《アルテリア・アンビエント》を《縮地》で避けながら柄を切り裂いた。
「なにっ……!?」
避けたとはいえ《アルテリア・アンビエント》は肩に掠ったが、そのまま十字剣の刀身と柄は分離して、刀身は真紅のライトエフェクトを灯したまま地に付した。
「これで終わりだ、ヒースクリフ……! 斬撃術《朔望月》!」
上半身の身体のバネを最大限活かす、零距離限定隙だらけの一撃必殺技が、その《神聖剣》の象徴を二つとも失ったヒースクリフへと放たれる。
だがそんな状況であろうと、ヒースクリフはあくまでも静かな表情をしていた。
「いや、まだだよ!」
一瞬たりとも目を離さなかった筈だが、ヒースクリフの何も持っていなかった筈の片腕には、片腕を切り裂いて落とした《神聖剣》の大盾……!
「なっ……!?」
種は十中八九かつての仲間、クラウドが使用していた《クイックチェンジ》だと解ってはいたが、種が解ってはいても今度は俺が驚く番だった。
俺とて日本刀《銀ノ月》の他にも予備の日本刀はあるし、足刀《半月》やクナイと言った副兵装もあるのだから、ヒースクリフの《神聖剣》に予備があっても何もおかしくはない。
そしてその新たに現れた大盾は、俺の斬撃術《朔望月》を受け止めるより早く、真紅のライトエフェクトを彩り始めた。
ヒースクリフのユニークスキル《神聖剣》は、大盾によるソードスキルの発動が可能……!
神聖剣重単発ソードスキル《ノブリス・トラセンド》による一撃が、俺の斬撃術《朔望月》を受け止めるだけでなく、そのまま俺をも攻撃しようと襲いかかった。
もはや小手先を挟む余地すらない勝負に、俺の技の中で隙だらけになるも最強を誇る剣技は、ヒースクリフの最強のソードスキルとぶつかり合う。
「うっ……おおおおおッ!」
「ぬおおおおおッ!」
お互いに限界以上の力を出すべく気迫の雄叫びを上げながら、相手の武器を粉砕して自らの武器を当てようと、どちらも自分の今までを全て賭けた技を相手にぶつける。
俺は今までの人生を全て賭けてきて、こ
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