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予言なんてクソクラエ
第十二章 連続暴行魔
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ているような気がした。
「佐々木さん。相沢の書類を。」
「何ですか、お客さんを呼び捨てにするなんて。」
書類を受け取ると、家と会社の電話番号にかけたが、両方とも出鱈目だった。
「相沢って男、どんな男だった。」
「そうね、がっちりとした体格で、そう、真治さんくらいの上背かしら。ちょっと苦みばしった50男、髪は短かくて角刈りより少し長め。上等な背広を着ていたわ。」
「佐々木さん、実は山口君は誘拐されたらしい。僕と間違われて。」
「うそっ、本当。じゃあ早速警察に届けなくちゃ。」
「いやいい、相手は分かっている。」
猛烈な闘志が沸いてきた。杉田啓次郎、預言者かなにか知らないが、貴様だけは許せん。何処にいるのか知らないが、絶対に捕まえてやる。そう決意した。その時携帯が鳴った。五十嵐だった。
「そっちの状況はどうだ。」
「さっぱりよ、ビルの中はまるで迷路。何がなんだかさっぱり分からない。施工業者を呼んだけど、分割して発注されていて、まして肝心なところは信者の業者が請け負ったみたい。そこの社長も姿を消しているわ。恐らく富良野よ。」
「そのビル以外は?」
「8箇所の道場も虱潰しに調べている。でも、捜査本部は全く別の所に隠れ家があるってことも視野入れ始めたわ。入念にチェックしたけどこのビルに、教祖はいそうもないもの。」
「ところで、さっき話した教祖の秘書、というか愛人だが、彼女が新宿で射殺された。」
「なんですって、さっきその新宿の射殺事件の情報、無線で流れていたけど、教祖の愛人だったの。」
「ああ、俺が馬鹿だった。悟道会の奴に盗聴器を仕掛けられ、彼女の証言は奴らに筒抜けだった。彼女はだから殺された。」
受話器を押さえて五十嵐が何かを叫んでいる。今流した情報を皆に伝えているのだ。佐々木が顔を引き攣らせ聞き耳をたてている。五十嵐が受話器を押さえていた手を離したらしく、背後で田村警部の怒鳴り声が響いた。田村警部のその言葉が気にいらなかった。「おい、石井を出頭させろ。」と吼えていた。捜査協力者を呼び捨てにしやがって、と心の中で毒づいた。五十嵐が声を低めた。
「真治、署まで出頭して。どうしても供述をとる必要があるわ。あっ、地震。」
強い揺れだった。ふたりは押し黙り揺れが止むのを待った。
「今日、二度目よ。悟道会の予言のことを思うと、不気味な感じがする。」
「あんなもの当たるものか。」
「だといいんだけど。それより、ねえ、出頭して証言して。」
「それが、そうもいかなくなった。尻に火がついた。」
「いったいどういうこと。」
「事務所のアルバイト、山口信一郎という学生が誘拐された。僕と間違われたんだ。じっとしてはいられない。まして供述するとなると時間がかかる。」
かいつまんで山口が誘拐された経緯を語った。五十嵐はすぐさま言う。
「兎に角
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