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予言なんてクソクラエ
第八章 最後の審判
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べく歩み出すというわけです。私が納得出来なかったのは、あそこにはお金持ちしか入れないということです。何千万円もの寄付をして漸くあそこの居住権を得るのです。どこか変じゃありませんか?」
「それでは大災害は一般信者には秘密にしているとでも?」
「秘密です。大災害が起こるという予言はしていますが、教祖は時期については口を鎖しています。限られた人々だけにそっと『貴方は神から選ばれた』と耳打ちして、ノアの箱舟造りの資金を集めました。そして私達も選ばれたという訳です。」
「つまり、潔しとしなかったというわけですね。或いは、予言がはずれるかもしれないと考えた?」
「そうした期待もあります。いずれにせよ、どちらに転んでも清美だけは助けたかった。しかし、清美は私といることを選んだ。清美のように、そんなこと起こるわけがないと言下に否定できればいいのですが。」
こう言うと、大竹は力なく笑った。石井も同感だった。
「それに・・・」
と、大竹が言って言葉を飲み込んだ。
「それに、何ですか?」
石井が促すと、
「どうせ信じてもらえません。」
「そんなことはない。何でも話して下さい。」
「実は、悟道会の信仰によって妻の癌が消えてしまったのです。これは真実起こったことなんです。」
「そんなことは、よくあることですよ。」
そっけなく答えた石井の反応に、大竹は怪訝な表情を浮かべた。
「お題目は唱えますか?」
「ええ、般若心経を唱えます。」
「なるほど。その般若心経を、声をだして朗々と唱え、それをエンドレスに繰り返すんじゃありませんか?」
「ええ、その通りです。」
「こうした奇跡の例は医学会でも精神医学会でもよく報告されていることです。特別なことではありません。」
「妻はそれで教祖の虜になってしまいました。」
「なるほど。でも、宗教を少しでもかじった人間なら、そうした奇跡が祈りによって時として起こることを知っています。お題目は、般若心境でも南無阿弥陀仏でも何でもよいのです。要は熱心に繰り返し唱えればいいのですから。」
「石井さんも宗教に入れ込んだことがおありなのですか。」
「いいえ、宗教に関する本を読んだだけです。」
「つまり、お題目を熱心に唱えていれば、奇跡だって起こり得るということですね。」
「ごく稀に、起こることもあるということです。ところで、大竹さん。エドガー・ケイシーはご存知ですか。」
「はい、教祖が何かの折に言及したことがあります。夢で難病に苦しむ人々にその処方を語ったとか。」
「ええ、彼は多くの難病患者を救いました。彼の知識の源は集合的無意識だと言われています。実は、この集合的無意識こそ、すべてを解く鍵なのです。」
「つまり、お題目を唱えて奇跡が起こったことと集合的無意識が関係しているというのですか?」
「つまりこうです。集
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