番外編
番外編4:隊舎防衛戦
第3話
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」
一方,隊舎内でガジェットとの戦闘に入ったシンクレアとヴァイスもまた,
追い詰められつつあった。
退避ルート前方に出現したガジェットの突破に手間取っている間に
正面玄関から侵入したガジェットに追いつかれ,狭い通路の中で
挟撃されつつあった。
「ちっ・・・あと少しで突破できるところだったのに!」
シンクレアは,舌打ちをしながら毒づくと,眼前のガジェットを叩き斬る。
「そんなこと言っても始まらないっすよ。とにかくなんとか生き残らないと!」
ヴァイスはほとんど背中合わせの位置に立っているシンクレアにそう言うと,
玄関側から迫るガジェットの1機に向かって狙いをつけ,引き金を絞る。
「わかってる!でもこのままじゃ俺達はお陀仏だよ!」
シンクレアはヴァイスの言葉を受けて不満そうにそう言いながらも,
眼前のガジェットに斬撃を加えて行く。
すでに2人とも肩を上下させており,疲労はピークに達していた。
シンクレアは,大きく息を吐き気合を入れ直すと,
床を蹴って,ガジェットに向かってインビンシブルを振りおろそうとした・・・
「なっ・・・!」
が,急にガジェットが向きを変えて後退したために,斬撃は空を切る。
見ると,シンクレアの前にいたガジェットは全機が向きを変えて急速に
2人から離れていた。
「シンクレアさん!これ,どうなってんすか?」
背後からヴァイスに声をかけられ,シンクレアは振り返る。
すると,ヴァイスの肩越しに一斉に後退していくガジェットの姿が見えた。
「俺に聞かれても判るわけないでしょ。それより,追うよ!」
シンクレアはそう言って,玄関の方に向かってガジェットを追い走る。
ちらりと振り返ると,少し離れて追ってくるヴァイスが目に入る。
2人とも,全力で追っているのだが,走れど走れどガジェットには
追いつかない。
やがて,玄関から隊舎の外へと飛び出すと,隊舎のあちらこちらから
出てきたガジェットが,スピードを上げて隊舎から離れているのが見えた。
「訳わかんねぇ。どうなってんだよ・・・」
ヴァイスはそう言って空を見上げた。
隊舎の上空には茫然と同じ方向を見つめるシグナムとヴィータの姿があった。
ヴァイスが傍にいるシンクレアの肩を叩き空を指さすと,
シンクレアもシグナムとヴィータを見つけた。
シグナムとヴィータの見つめる先には高速で飛び去っていく
飛行型ガジェットが小さな点になって見えた。
「ほんとに,どうなってんだか・・・」
シンクレアは,みるみる小さくなっていくガジェットを眺めながら
小さく呟いた。
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