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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
番外編
番外編4:隊舎防衛戦
第3話
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激しくなり,戦いの継続に焦りを感じている自分自身に
気づくと,ヴィータのほうに目を向け念話をつなごうとする。

[ヴィータ,聞こえるか?]

シグナムからの念話を受けてヴィータはシグナムの方へ一瞬目を向ける。

[んだよ,シグナム。今忙しいんだよ!]

[判っている。だが,今のままこれ以上戦闘を続けてもすぐに
限界を迎えるだろう。何らかの形で状況を打開する必要がある]

ヴィータはその言葉に先ほどまでの厳しい表情をわずかに緩める。

[ってことは,シグナムには何か打開策があんのか?]

ヴィータがそう尋ねるとシグナムは返事を返す。

[あまりいい考えとは言えんかもしれんが,合流するぞ]

シグナムの返答にヴィータは眉をひそめる。

[合流って・・・,敵が2手に別れてんのにか?]

[だからあまりいい考えではないと言ったのだ。だが,このままそれぞれ単独で
戦っていては,そう遠くない先に各個に撃破されるだけだ]

ヴィータはガジェットとの戦闘状態を維持しながら少し考える。

(確かに,このままじゃあたしもシグナムもやられちまうかもしれねー・・・
 だったら,うまく合流して少しでも生き残る確率を上げる方がいいか・・・)
 
内心でそう結論付けると,ヴィータはシグナムに向かって念話を送る。

[わかった。合流すんぞ]

シグナムはヴィータの返答を聞くと,ほっと小さく息を吐いた。

[よし。では戦闘状態を維持しながら徐々に後退して合流する。
うまく敵を引きつけながらな]

シグナムはヴィータに向かってそう言うと,目の前に迫ったガジェットを
切り捨てると,ヴィータの方に向かってゆっくりと後退し始める。
ガジェットたちが自分を追ってくるのを見ると,シグナムは小さく口元を
ゆがめた。

(そうだ・・・そのまま追って来い!)

一方のヴィータも自分から積極的に攻撃を仕掛けはしないものの,
接近してくるガジェットを叩き落としながら,じりじりとシグナムの方へと
後退していった。

そして,もう間もなくお互いの声が届く距離まで近づこうとした時だった。

「は・・・?」

「なんだ・・・?」

ヴィータとシグナムはほぼ同時に小さく声を上げた。
2人が茫然と見つめる先では,先ほどまで2人に対して攻撃を加えていた
ガジェットの群れが,くるりと向きを変え急速に2人から離れて行った。

2人はそのまま合流すると並んでガジェットが撤退していく様を眺めていた。

「・・・追わなくていいのかよ」

「この作戦の目的は防衛だ。追う必要はない・・・と言いたいところだが,
 魔力も尽きかけているからな。追うに追えん」

「同感だな。ったく,どうなってんだよ・・・
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