五話
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
う
いくら天剣が強かろうとも、戦えなければ意味がない
「まったく、陛下たちも意地が悪い。教えてくれればいいものを」
そういいながら、気を引き締めなおす
同じ程の距離にいたはずなのに、カルヴァーンは無傷。体の周囲を覆う剄技、刃凱と呼ばれる彼独自の技が身を守ったのだろう。後方にいるリンテンスに傷がないのは言うまでもない
今この場で傷を負っているのは自分独り。先ほどカルヴァーンが異変に気付いたのは、経験のなせる技なのか
みればベヒモトは再び動き出している。爆散した残骸は本体に向けてうごめき、見下ろせばその本体は地面と同化している
「地面と同化しているのか? そういう進化とは、とことん常識から外れているね。それに切り捨てても元に戻るとは、半ば不死のようなものですかね」
外縁部に一人残ったリンテンスが左腕の鋼糸で持って自身の前に壁を作り、右腕でベヒモトへと仕掛ける
???操弦曲・跳ね虫
幾多もの鋼糸によってその体が抉り削られ、残骸を飛ばす中、それをかいくぐりながらサヴァリスは自身もベヒモトとへと向かう
「もう少し穏やかにやらんか!」
自分よりも先に戦場へと戻り、愚痴を言いながら剣を振るうカルヴァーンに続き、全力の剄を込めた拳をぶち込みながら笑みを浮かべる
自分とは違い、無傷で自身よりも上だろう同僚二人に、三人がかりで未だ成果が見られない相手。その事実が、サヴァリスを高揚させる
今この瞬間が、楽しくて楽しくてしょうがない
「まだまだ、これからですよ」
「あれ、かなぁ。きっと、サヴァリスさん笑ってるんだろうな」
そう呟きながら、レイフォンは外縁部で行われ続けている戦闘を観戦する
ここは王宮。老成体の襲撃に対し、万が一に備え武芸者が集められた
そしてそれが二日前のこと。つまり、三日連続で戦闘が続けられているのだ
本来ならば、余り自由に出歩いてはいけないのかもしれないが、万が一、つまり天剣が敗れるなど誰も思っていないため、さほどみんな気にしてはいない
そのため、王宮の中であるならば、立ち入りが禁止されている区域を除き、ある程度自由にしても問題はない
何もしないのはそろそろ暇なので、その為レイフォンは活剄によって視力を強化し、人気のあまりない所で外縁部での戦いを観戦している
天剣の戦いなど、基本は外で、それも一人で戦うため見ることなどめったにできない。その為、いい機会だとしてレイフォンは観戦を、言い換えるならば身稽古をしている
少しでも多くの金を稼ぐには、少しでも強くなって多くの汚染獣を倒すのが今のところの一番だ。かつて見た天剣、カウンティア・ヴァルモン・ファーネスとリヴァース・イージナス・エルメンの二人の技は見て自
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ