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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
番外編
番外編4:隊舎防衛戦
第2話
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ビンシブルを掲げてみせる。
ヴァイスはシンクレアの言っていることにますます混乱したのか,
ガシガシと頭をかきむしる。

「どういうことっすか!?シンクレア・ツァイス3尉は魔導師じゃないって
 言いましたよね?でもインビンシブル・・・でしたっけ?・・・は,
 シンクレアさんのデバイスなんでしょ?訳判んないっすよ」

「・・・ヴァイスは本当にそこを知りたいのかい?」

シンクレアは押し殺した声でヴァイスに尋ねる。

「・・・できれば知りたいっす」

「なら,ゲオルグさんに聞いてみなよ。
 ”シンクレア・ツァイスは何者ですか?”ってね。
 あと,俺が魔法を使って戦っているのを見たことを付け加えると,
 なおいい反応が返ってくるかもね・・・」

「ゲオルグさん・・・ですか?」

ヴァイスの質問にシンクレアは頷きを返す。

「俺は”シンクレア・ツァイスが何者か?”という問いに正しい答えを返す
 権限が無いからさ。ただね・・・」

シンクレアがそこで言葉を切ると,ヴァイスはシンクレアの顔を見つめて
先を待った。

「変な聞き方をして,ゲオルグさんに殺されても知らないよ」

シンクレアがそう言うと,ヴァイスは一気に顔色が真っ青になった。

「・・・そういうことっすか・・・」

「まあね。だからあんまり俺のことは探らない方が身のため・・・」

シンクレアは中途半端に言葉を切ると,厳しい表情で前方を睨みつけていた。
ヴァイスがシンクレアの目線の先を見ると,ガジェットの群れがこちらに
向かって進んでくるのが見えた。

「やばいっすね。下がります?」

「いや,下がっても玄関から侵入した部隊と挟撃されてさらに難しい状況に
 陥るだけだよ。ここは前方の部隊を突破する」

シンクレアはそう言い放つと,近接モードのインビンシブルを握りしめる。

「ヴァイス,俺は突っ込むから援護よろしく。あと,後方警戒もね」

「大丈夫っすか?」

「俺やゲオルグさんが潜ってきた修羅場はこんなもんじゃないよ。
 まあ,任せときなって。じゃあね」

にこやかな表情でシンクレアはそう言うと,前方のガジェットに向けて
走り出した。


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