暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々
番外編
番外編4:隊舎防衛戦
第2話
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レアは隊舎内部へと後退する。
玄関へと続く通路の曲がり角に身を隠すと,シンクレアはインビンシブルに
声をかける。

「インビンシブル,砂塵が晴れたらここからガジェットを狙撃するよ」

「了解」

スナイプモードに転換したインビンシブルを構え,シンクレアは正面玄関の方に
目を向ける。砂塵が晴れて行くに従って,正面玄関から隊舎へと
侵入しようとするガジェットの影がはっきりと見えてくるようになってきた。
シンクレアは1体のガジェットに狙いをつけると,魔力の弾丸を放った。
弾丸は狙ったガジェットを貫き,その背後にいた別のガジェットをも貫く。
シンクレアはそれを見て軽く笑みを浮かべるが,すぐに表情を引き締めると,
次のガジェットへと狙いをつける。

そうして,何機かのガジェットを破壊したシンクレアであったが,
次々と侵入するガジェットに対応しきれず,さらなる後退を決断する。

(くそっ。ロクに時間稼ぎも出来やしない・・・)

シンクレアは立ち上がり,玄関のガジェットに背を向けた瞬間,
目の前にガジェットの姿があった。

(しまった!)

シンクレアが死を覚悟したその時,遠くから叫び声が聞こえた。

「伏せて!」

シンクレアがその声に反応して床に伏せると,直後に弾丸がガジェットに
突き刺さり,ガジェットが爆発した。
シンクレアが身を起こすと,目の前に共用デバイスを抱えたヴァイスが
シンクレアを見降ろしていた。

「シンクレアさん!?大丈夫っすか?」

シンクレアは爆発の影響で耳鳴りがしていたため,ヴァイスの声が
ぼんやりとしか聞き取れなかった。
が,ヴァイスの口の動きから何を言っているかは理解できたので,
自分は大丈夫であることを伝えるべく,ヴァイスに向かって頷いた。

「そりゃよかった。ここはガジェットに包囲されかけてますから,危険です。
 後退しましょう」

ヴァイスはそう言ってシンクレアに向けて手を伸ばした。
耳鳴りが収まってきたシンクレアは,耳鳴りを振り払うように頭を振ると,
ヴァイスの手を借りて立ち上がって声をかけた。

「ありがとう,グランセニック陸曹。でもなんでこんなところで,
 しかも戦闘を?非戦闘員は退避するように命令が出たはずだけど」

シンクレアがそう言うと,ヴァイスはシンクレアから目をそらした。

「えーっと,なんて言ったらいいかな・・・」

ヴァイスが言い淀んでいると,玄関側のガジェットが2人を狙って
射撃を始めた。

「話は後にしようか。行くよ,陸曹!」

「え?あ,はい!」

退避ルートに沿って後退していくと,近くの部屋から引っ張り出した机や椅子で
バリケードが気づかれているのを見つけた。

「ここで防御線を
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