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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第1話:ゲオルグ・シュミット3尉の初任務
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開始してみると事前に聞いていたよりも敵が多く、予定していた
 遠距離からのけん制攻撃だけでなく、敵陣に突っ込んでの近距離攻撃も
 追加することにしました。
 しかし、あまりにも敵が多いために撤退を決意したのですが・・・。
 すいません、覚えているのはここまでです」

「なるほどな。 そこまでのところは概ね俺が把握しているのと相違ないな。
 では、それから何があったか教えてやろう」

ミュンツァーはそう言うと、デスクの上の端末で一つファイルを開き
その中身を見ながら徐に口を開く。

「お前がハインツ曹長を伴って敵に突っ込んでいった後、お前は敵の攻撃で
 右肩に負傷を負った。どうもその直前には作戦中断と撤退を決意していた
 ようだがな。で、意識を失いかけたお前を連れてハインツは撤退したんだが、
 お前を洞窟入り口に寝かせると奴は再度洞窟に突入して、分隊の撤退を
 援護したんだな」

「ハインツ曹長が・・・。それで、作戦はどうなったんですか?」

「作戦は中止した。B分隊からの敵戦力過大の連絡を受けてな。
 だが・・・」

ミュンスターはそこから先を言い淀む。

「何なのですか?」

「A分隊8名、B分隊2名が殉職。ほかに5名が負傷した」

「なっ・・・!!」

「B分隊はハインツ曹長とミュンスター1士の2名が殉職。
 A分隊は伝令のために先行して撤退した2名を除いて全員死亡した」

淡々とした口調で言うミュンツァーとは逆に、ゲオルグは狼狽を隠せない。

「な、なんで・・・そんなことに・・・」

「B分隊は撤退の過程でほぼ全員が負傷してな、ハインツとミュンスターは
 そいつらの撤退を援護するための戦闘で死亡した。
 A分隊はもっとひどい。A分隊の側でも敵戦力が大きすぎて撤退を
 開始したんだが、敵の挟撃にあって伝令のために先行した2名以外は全滅。
 結果、10名が死亡した」

「挟撃・・・なんで・・・」

ゲオルグは茫然としたまま、小さくそうつぶやいた。

「突入中に横穴を見つけただろ。 あれがA分隊側の洞窟につながってたんだ。
 それで、B分隊が先に撤退した後、その横穴を通ってA分隊の後背に
 敵が回り込んだってわけだ」

「そんな・・・じゃあ・・・」

「そうだな。横穴を発見した時点で報告があれば作戦変更もできた。
 なぜ、報告しなかったのか教えてくれるか?」
 
「あの・・・、横穴の調査や伝令を艦に戻すには時間が足りないですし、
 通信の使用は慎むべきだと考えていましたので、作戦計画通りの
 行動を継続するべきと判断しました」

ゲオルグの言葉を目を閉じて聞いていたミュンツァーは、目を開いて
ゲオルグの目を真っ直ぐに見る。

「その
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