暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第1話:ゲオルグ・シュミット3尉の初任務
[6/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
る。

「分隊長。俺はこれから取り残された分隊の連中を助けに行ってきます。
 頼みますから、ここでおとなしく待っててくださいよ」

ハインツはゲオルグに向かってそう言うのだが、ゲオルグには意識がないのか
ハインツの言葉に何らの反応を示さない。
ハインツはすっくと立ち上がると、洞窟の中へと入って行った。





「うっ・・・」

「あら、目を覚ましたのね。シュミット3尉」

ゲオルグが次に目を覚ましたのは、艦内の医務室であった。
照明のまぶしさに目を細めながら、ベッドの上で身を起そうとするものの
右肩の痛みに耐えかねて呻き声を上げる。

「痛っ・・・。 って、ここは?」

「シャングリラの医務室よ。 あなたは昨日の作戦で負傷して
 ここに運ばれたのよ」

ゲオルグの問いに対して、白衣を羽織った妙齢の女性が答える。

「昨日の作戦・・・。ということは、僕は1日眠っていたということですか」

「そうなるわね」

「そうですか・・・。ひとつ質問してもかいませんか?」

「ええ、どうぞ」

「昨日の作戦は結局どうなったのですか?」

「それは・・・」

女性は、ゲオルグの質問に対する回答を言い淀む。
その時、プシュっという小さな音とともに医務室のドアが開かれる。
女性はドアの方を見ると、わずかに表情を緩める。

「彼に聞いた方がいいわね」

ゲオルグが女性の指差した方に目を向けると、制服のポケットに
手を突っ込んで立っているゲオルグの上司、ミュンツァーが立っていた。

「よう、シュミット。調子はどうだ?」

「良くはありません。 まだ頭もぼうっとしてますし、傷も痛みます」

「そうか。 歩けそうか?」

「少し待ってください」

ゲオルグはそう言うと、ベッドから床に足を下ろして立ち上がり、
2・3度軽く跳んで自分の身体状態を確認する。

「大丈夫なようです」

「そうか。では俺についてこい。昨日の作戦について話がある」

ミュンツァーの言葉に、ゲオルグは身を固くして小さく頷くと、
ミュンツァーの後に続いて医務室を出た。
ゲオルグはミュンツァーの大きな背を見上げながら艦内の通路を歩く。
時折すれ違う乗組員がじろじろと自分を見る目線にゲオルグは気付いた。

(作戦で何かやったのかな? 僕・・・)

ミュンツァーの部屋に入ると、ゲオルグは勧められるままに椅子に腰を下ろす。

「さて、昨日の作戦について何か覚えているか、シュミット?」

ゲオルグの正面に置かれた椅子に腰かけたミュンツァーに問われ、
ゲオルグは目を瞬かせてから、昨日の出来事を思い返す。

「そうですね。途中までは予定通りに作戦を運んだのですが、
 攻撃を
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ