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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第1話:ゲオルグ・シュミット3尉の初任務
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くぬくとしているわけにはいかんだろ。
 せめて背後の守りくらいはやってやらんとな!」

ハインツはそう言うと、ゲオルグの背後に迫る敵に向かって飛びかかった。

「やらせるかよっ!」

ハインツは槍型のデバイスの切っ先を敵の魔導師に向けて突き出すと
ゲオルグに向かって声をかける。

「分隊長、大丈夫ですか?」

「ええ、大丈夫です。 助かりました」

ゲオルグは首だけで振りかえり、横目でハインツを見ながら小さくそう言うと、
次の敵に向かって斬りかかって行く。

(ったく、13歳で3尉になったってのは伊達じゃねえってことか・・・)

ハインツはゲオルグを追いながらゲオルグが撃ち洩らした敵を屠っていく。
2人は敵の最前線を突き破りつつあったが、あとからあとから湧いてくる
敵の増援に徐々に押し込まれて行く。

「くっ・・・、こう数が多くてはかないませんね。A分隊の攻撃は
 まだ始まらないんでしょうか?」

「後少しです・・・が、A分隊の戦力があってもこの敵を制圧するのは
 難しいんじゃないですか? 事前情報の軽く4倍は居ますよ」

「同感です。 これは作戦中止も考えねばなりませんね。
 A分隊と至急・・・ぐあっ!!!」

ゲオルグが突然上げた悲鳴にハインツは振り返る。
ハインツの目に映ったゲオルグは右肩を撃ち抜かれて出血していた。

「分隊長っ!」

ハインツはゲオルグを抱きとめ、味方の居る位置まで急いで後退すると、
地面にゲオルグを横たえてその顔をピシャリと叩く。
その衝撃で意識を取り戻したのか、ゲオルグは薄眼を開ける。

「ハインツ曹長・・・、撤退を・・・」

ゲオルグはそれだけ言うと意識を失う。

「B分隊の指揮は俺が引き継ぐ! 砲撃系魔導師は敵にけん制攻撃を。
 その間に負傷を優先して撤退を開始。 待機地点まで引く!」

ハインツはそう言うとゲオルグを背負って洞窟の出口に向かって走り始める。
しばらく走ったところで、背中にいるゲオルグが小さく声を上げる。

「曹長・・・、A分隊と連絡を・・・」

「そんなこと言ってる場合ですか!? いいから洞窟を出ますよ!」

「そんなこと!? 何を言っているんですか。 早くA分隊に連絡しないと、
 彼らは制圧作戦を・・・ぐっ!」

慌てて声を上げるゲオルグであったが、傷が痛むのか途中で声を失う。

「いいから分隊長は黙っててください!」

ハインツは全力で走りながら、自分の背中に向かってそう叫ぶ。
同じように後退する分隊員が敵の攻撃によって次々と被弾していく。
ハインツはそのさまを横目で見ては、ギリっと己の歯を軋ませつつ走る。
やがて、洞窟の出口にたどり着くとその脇に背負っていたゲオルグを横たえ
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