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予言なんてクソクラエ
第一章 目撃
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は石井のいつになくきつい口調に驚いて、慌ててリモコンのスイッチをいくつか押した。
「そこそこ、その一つ前。」
そこに映し出された場面に、石井は釘付けになった。あのホテルが映っていた。昨日、ターゲットと女が入って行った行徳のホテル。ニュースの音声が伝えていた。
「殺されていたのは政治家秘書の浦辺一郎さん51歳。連れの女性は、14時30分頃、一人でホテルを出たとのこと。歳は三十歳前後。目深に帽子を被り、サングラスをかけ、白っぽいテーィシャツにジーンスという服装だったということです。目下のところ、警察はこの女性を重要参考人として行方を追っています。」
磯田が間延びした声で言った。
「そうそう、僕はこんなことをしている場合じゃなかったんだ。そんなことより、あのレポートを書き上げなくっちゃ。」
磯田は手に持ったファイルを棚に戻し、ぽかんと口を開いて石井を見詰める龍二と佐々木を置き去りにし、さっさと席に着いた。テレビにかじり付いているのを詰られた腹いせに、デマカセを言っただけなのだ。石井がぽつりと言った。
「僕は、この重要参考人の女性が、このラブホテルから出てくるのを目撃している。」
「えっ、今何て言った?」
ひときわ大きな声を上げたのは磯田で、振り向いたその顔には好奇心がべったりとへばりついていた。




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