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〜烈戦記〜
第八話 〜初陣〜
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を与える為にここに残るそうだ。
多分その時に自分も寝るのだろう。

『凱雲、僕怪我はしてるけど道案内しなきゃ』
『豪帯様がする必要はありません。こちらで代わりを用意します。ですので豪帯様は後続部隊と一緒に』
『いや、でも洋班は多分許さないよ?』
『その時は私が交渉しましょう』

これはいけない流れだ。
多分凱雲の事だ。
何をしてでも僕を道案内から外そうとするだろう。
でもそうなればまた洋班を怒らせかねない。

…それにあちら側には凱雲より強い黄盛がいる。
いざとなったら凱雲は何も出来ずに斬られてしまいかねない。
それだけは嫌だ。

『凱雲。行かせて』
『駄目です』

面倒くさいな。

『ねぇ、これは僕が父さんから頼まれた関に来てからの数少ない仕事の一つなんだよ?その仕事を僕から取るの?』
『豪帯様をこれ以上危険な目には合わせられません。現に今こうして命の危険にさらされたではありませんか』
『これは…』

言葉が詰まる。
確かに次に先鋒部隊に従軍したらそれこそまた大怪我を負うかもしれない。

『お願いです。従軍はおやめください』

凱雲が頭を下げてくる。
それ程までに僕の事を心配してくれている。
それは凄く嬉しくもあり、本当に従軍をやめてもいいとさえ思えた。
だが。

『…凱雲は13年前にあの村で起きた事覚えてる?』
『…えぇ』
『僕さ、あの時からずっと夢みてる事があってさ』
『…』
『でもそれを叶える為には力が必要でさ。だから僕はずっと関で父さんの仕事を手伝えるのを心待ちにしてたんだ』
『…』
『だからさ。僕はここで任された仕事を投げ出したく無いんだ』
『しかし、それで死んでしまえば元も子も…』
『それは違うと思う』
『…と言いますと?』
『だって、この国の為に色々な人達が命をかけてきたでしょ?だったら僕達の世代が命を惜しんで何もしないじゃ命を落としていった人達に申し訳ないよ』
『今ある平和の中で命を捨てるのでは平和を求めた意味がありません』
『多くの命で創り上げられた平和はきっと命を掛けて守るに値するんじゃないかな』
『…』
『…まぁ、今は世の中の平和どころか自分の親すら幸せにできないんだけどね』

そう言って笑ってみせる。
凱雲は複雑そうな表情を見せた。

『…だからこそ、これくらいはやりきりたいんだ』
『…そうですか』

そう言うと凱雲は立ち上がった。
不満はまだあれど、どうやらわかってくれたようだ。

『御無理はなさらぬよう』
『わかってる』

それだけ交わすと凱雲は天幕を出て行った。





『ふぁ…ねみい…』

黄盛に起こされて目蓋を開けたはいいが、なかなか早朝はきついもんだ。
だが、今日は待ちに待っ
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