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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#9 負けられない戦い
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したのだが……、全てを納得した訳じゃない。当然だ。その訳は、自分自身が言っていた。
――……あんな子供に任せるなんて。
と、そう言っていた。だけど、あの場に留まったとして、今の状況、もう満身創痍で全身ぼろぼろである自分達が何か出来るのだろうか? 寧ろ足手まといになる可能性がかなり高い事も理解できていたのだ。
死を畏れている訳じゃない。家族の為に命を捨てるつもりだったから。だけど……、それを加味しても、足でまといになり、その上自分を守ろうとして、怪我をするアル自身を見たく無かった。
「ファン……!」
ガーランド自身も理屈は判っている。納得できない気持ちもファンにも負けてない。いや、これはここに倒れている誰もが納得なんて出来やしないのだ。1人だけ戦わせる事を恥じているのだ。
「ああ! 最低だよ! 大の大人のオレ達が、子供1人で戦わせるなんてよ! 情けねぇよ!! だが、な…… アイツが、アルが、もし殺られたら……、次はオレが真っ先に死ぬ!! そして、死んでも 家族には、仲間達には指一本触れさせねぇ!! 死んでも食らいついてやる!」
ファンの強い決意が感じられた。言うとおり、死んでも止まらない。と言う程の決意を。それを訊いたガーランドは。
「おいファン…… それ、オレも一杯つき合わせろや……、死ぬときゃ一緒だ……」
にやけ顔をつくり、笑いながら、答えた。その心意気に乗る為に。
「あぁ……わかってるよ。おめーなら絶対そう言うと思ったぜ! だが、その前に、片付ける事がある!」
そう言うと、ファンはガーランドを戦闘範囲から離れたところまで運びガーランドを地面に座らせ、再び立ち上がる。……他の仲間たちを運ぶ為にだ。
再び、鉱山入口、……戦場戻っていった。
その戦場では戦塵が渦巻き、衝撃音、轟音も迸っている。ゴーレムは、何度も何度もその巨大な拳を、あのアルの
光の壁
(
ミスティック・シールド
)
にぶつけているのだ。
「ぐうぅっ…………」
その威力は初めて受けるものだ。記憶がない自分にとって、初めての経験なのかはわからない。でも、それでも、先ほどのゴーレム達に比べれば、見たとおり まさに大人と子供の差だった。作り出した
障壁
(
かべ
)
越しにではあるが、アルの腕に鈍い痛みが再び走る。
「くそっ!!」
腕を放したその時、ばきぃん、と言う硝子が割れる音と共に、障壁が破られた。破られる瞬間、後ろに下がった為、アル自身は、その一撃の直撃は避ける事ができた様だ。
「堅牢なる守護の力……来い!《バリア》」
次に使用するのは、自身防御強化の譜術。先ほどとは違い自らの身体に譜術で作った光の膜を張って 基本防御力を上げる譜術。
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