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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#9 負けられない戦い
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う、誰もが絶望していたその時、だった。
突如、突風が吹き荒れたかと思った瞬間。
「我らを護れ! 聖なる盾。 干戈を和らぐ
障壁
(
かべ
)
となれ!!《ミスティック・シールド》」
凄まじい光が生まれ、それと同時に激突音が響いた。
それは凄まじい衝撃音だった。音だけで、人が吹き飛ばされかねない程のもの。だが、ガーランドは自分自身の体はなんともなく、痛みも全く無い。
(なんだ…… 今の……音、は。 ……まだオレぁ……死んで無い。なら、今のは……、いったい……)
死を覚悟し、眼を瞑っていたガーランドは、ゆっくりと目を開けた。
そこに見えたのは。
「ガーランドさん! しっかりしてっ!」
見えたのは、アルだった。そして、アルの先に、あのゴーレムの巨大な拳が迫っていた。その拳をアルは、光の壁の様な物で化け物の攻撃を受け止めていた。
「ア……ル………?」
ガーランドは、突然の事で頭が混乱する。アルがいる事は判ったけれど、この光景を見て、理解が出来ない。だが、突然身体を抱き抱えられた気がした。
そんなガーランドを担いだ者がいたのだ。
「ガーランドっ! 逃げるぞ!!」
それは、ガーランドの仕事仲間の1人であるファンだ。
「ファ……ン…… こいつぁいったい………?」
ガーランドは朦朧となりながらもファンに聞いた。先ほどまで一緒に闘っていた男だったからだこそ、言葉を交わす事ができた。
「オレも聞きてぇよ! ……あの化け物がおめぇに攻撃してくる少し前だ! アルのヤツがオレのそばに来て 『オレが、アイツを止めるからその隙にガーランドさんを頼む!』って言ったんだよ! オレがそんなの無茶だ、って言おうとしたんだがな! もう言ったと同時に、アイツは駆け出しやがった。 あんな小僧が、オレよりも一回りも二回りも歳下のアイツが命張っていったんだ! なのに、オレがいつまでも、おねんねしてるワケにゃいけねえだろう!?」
「アル……が……?」
ガーランドは、その言葉を訊いて、眼を見開かせた。それと同時に失いかけていた闘志が戻ってくる。諦めかけた心を恥じている。何より。
「あいつ…… くそ! あいつ……を1人で戦わせるわけには…、いかないっ」
1人にさせるなんて事は出来ない。
家族
(
サラ
)
を助けてくれたのに、自分は何も出来ないのは、情けなさすぎる、と強く思った。だからこそ、ガーランドは目に生気が戻り再び体に力を入れる事ができたのだ。
だが、ファンは決して下ろす事はしなかった。
「ガーランド、動くな! じっとしてろ!! ……悔しいが、今の俺たちにゃ、アレはどうにもなんねぇんだよ! 今は、譜術を扱えるアイツに、アルに全部賭けるしかなんねぇんだ!」
ファンも、そう断言
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