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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#8 絶望からの刺客
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ゴーレム》の傍よりは安全の筈だ! 直ぐに怪我人をアイツから遠ざけるんです! 皆まだ万全とは程遠いですが、動かす事は問題ない筈です! 早くっ!!」

 それは、いつものアルの顔じゃない。鬼気迫るかのような表情だった。そのおかげで、レイは気を取り戻す事が出来た。

「わ…… わかった……。」

 レイも、震える体に一括し 答えた。蹲ってばかりはいられない。中にはまだ満足に動けない人も沢山いるのだから。

「お願いします! 皆と協力して」

 そう言うと、アルは坑道の方を向き直した。それを見て、レイは驚く。

「まっ まって!アル!あなた……どうするつもり!?」

 レイは大声で叫んだ。思いたくないが、アルは今にも飛び出しそうにしていたから。

「オレは、ゴーレム(あれ)を止めにいきます。怪我人も、きっとあそこには多い筈です」

 アルは、レイの方に振り向かずそう答えた。正直その問答すら惜しい。今はあまり時間を掛けるわけにはいかないから。その一瞬の遅れで、重傷者が、……死亡者が出てしまう可能性があるから。

「そ……そんなのムリよっ!! あ、アレは人間が抗えるものじゃない! ダメよっ! 行っちゃダメ! ……こ、今度こそ死んでしまう!!」

 必死にレイは叫ぶ。止める為に。……大切な人だから。その叫び声のせいか、 周りの轟音のせいか。目を覚まし外へ出てきた人がいた、

「おっ……おにいちゃん!!」

 起きて、出てきたのは、サラだった。

「……大丈夫です! やりようはありますよ。信じてください。……それに、こうやって話している間も被害が増えていく。 ……今はオレを信じてください、お願いします」

 アルはそういうと、自分に取り付けてくれていた移動式の治療器具を全て外した。その時、背中に軽い衝撃が走る。

「おにいちゃんっ! お、おねがい、いかないで! だめだよ、し、しんじゃうよ……!」

 その衝撃の正体、それはサラだった。アルは、サラが出てきていた事には気付かなかった。ぽろぽろと涙を流しながらアルにしがみ付き、叫ぶ。『行かないで』と。

 確かに時間が惜しかったが、サラを無理に振りほどくわけにはいかない。

 アルは、サラの方を向きなおすと、

「サラも……。 オレを信じて」

 アルは、笑顔で話しかけた。いつもの笑顔で。遊んだり、一緒に勉強したり、ご飯を食べたり。そんないつもの笑顔で。

「で……でも!でもっ!! お、おにいちゃぁん……っ」

 サラは、その笑顔を見てもまだ泣いていた。安心する事が出来なくて。……信じられない訳じゃない。……それをも覆い尽くしてしまう程の、ゴーレムものを見てしまったから。

 だから、サラは連想させてしまっていた。

 いつもの
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