暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
虚空爆破
Trick12_てめぇはてめぇだろ! 他人と比べるな! 自分を見ろ!!
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「いつだってそうだ、僕は力に」

「その求めていた能力(ちから)はレベル0でも手に入る力に負けてんだぞ?
 何言ってんだ、てめぇ?」

信乃は何の起伏もない、何の感情も感じられない言葉を連ねる。

「力でねじ伏せられるとか言ったな。誰かにいじめられでもしたか?
 ふざけるな。こんな馬鹿馬鹿しい茶番劇が成功するわけねえだろボケ。
 いじめ程度の経験(トラウマ)しか積んでない奴がめそめそ調子に乗るな。
 頭かち割るぞ!」

無感情だった信乃の言葉に、ようやく感情が入っていった。

「面白くねえ!全然おもしろくねえよ俺は!何がしたいんだてめぇは!
 本当にやるべきことから目を逸らして、何もかもを根こそぎ無駄遣いして、
 言い訳して嘘吐いて誤魔化して、こそこそと卑屈に生きやがって!
 怠けんな。簡単なことだろうが、サボってんじゃねえ!
 なんでもっとしゃんとしないんだてめぇは!曲がってんじゃねえぞ!」

言葉に乗せられる感情。信乃の 怒りの 感情。

「胸を張れ、背筋を伸ばせ、自分を誇れ、敵に吠え俯くな!
 諦めんな見限るなてめぇで勝手に終わらせんな!

 てめぇはてめぇだろ! 他人と比べるな! 自分を見ろ!!」

そう言って信乃は男を通りすぎて御坂の方へと歩いてきた。

男は今度こそ力が抜けて座り込んだ。

信乃はそのまま御坂の前に立ち、御坂の頭を撫でた。

なぜ撫でたのかは御坂も、信乃本人も分からない。
ただ、そうしたかっただけだ。

御坂は信乃の言葉に固まっていたが、撫でられてようやく信乃の顔を見た。

あの眼は元に戻り、いつもの黒になっている。
信乃は口元だけが少し笑っていたがが、悲しそうな目をしていたので何も言えずに
御坂は頭を撫でられていた。


・・・・・・

・・・・・

・・・・

・・・

・・




爆弾魔の男は信乃が通報した警備員(アンチスキル)に連行された。

御坂と信乃はデパートの前で待っていた佐天と初春の元へと歩く。

「御坂さん! 信乃さん! 大丈夫ですか!?」

初春がこちらに気付いて声をかけた。そして佐天と一緒に走ってくる。

信乃はいつもの笑顔を2人に向けた。しかし、御坂の方は俯いて元気がない。

信乃たちの元に来た2人。佐天が信乃の手に気付いた。

「信乃さん!? その手の怪我は!? 犯人にやられたんですか!?」

信乃の両手は血で滲んだ布が巻かれている。応急処置とも言えない簡単な
巻き方で、巻いたのは信乃本人。

佐天は、手は爆発によるものではなく犯人を捕まえた時に
できたものだと思って聞いたのだろう。

爆発では手の先だけが怪我をすることはありえない。普通なら。

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