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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
虚空爆破
Trick12_てめぇはてめぇだろ! 他人と比べるな! 自分を見ろ!!
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ていた。


御坂は言われた通りに立ち止まったが、信乃の状況に驚きで動けなかっただけだ。

「その“魂”は、爆発の前にあの女のこと一緒にいた奴に間違いないな・・
 さて、確認するまでもなくてめえが犯人だよな。

 ってしゃべれるどころか動けねぇな。じゃあ」

信乃は男の鳩尾を蹴く。

「ガハッ!」

「これで動けるようになっただろ?」

蹴り飛ばされて尻もちをつき、男は苦しそうにうめいている。

「なんだよ今の“火”は・・お前も能力者かよ・・いつもこうだ・・」

火など先程から現れていない。しかし男は確かに信乃に向かって“火”と言った。

「いつだってそうだ! 何をやっても僕は地面にねじふせられる!
 殺してやる! 風紀委員だって! おまえだ「だまれ」」

「てめぇが言っている力ってのは能力のことだよな?」

信乃はあくまで無表情を続けた。

悪魔のような表情ならぬ、悪魔のような無表情だ。

「だったら、その自慢の能力で俺を倒してみろ。もちろん後ろのやつには
 手を出させない1対1だ。俺に勝ったら見逃してやるよ」

「!?」

男は信じられないという顔をしたが、次には笑って近くに飛ばされていた
自分のカバンに手を伸ばした。

逃げられるチャンスがあること、そして自分の能力への自信からの笑い。

「俺は能力を使わない。使うのは鍛えれば誰でもできる体術だ。

 安心しろ。俺は優しいから本気を出さない。偽善者だからな。
 隅から隅まで手抜かりなく手ぇ抜いてやるよ」


信乃の表情が初めて変わった。微笑、しかしそこからは恐怖しか感じられない。


「!  う、あ・・」

男は狼狽した。能力を使えば倒せると思っていた。


だが


「どうした、来いよ」

信乃の顔を見てそうは思えない。

しかし戦わないと自分は切り抜けられない。いや、生き残れないかもしれない。

そんな思いからカバンの中に手を入れ、スプーンをわし掴みにして一度に投げた。

10本近いスプーン。否、爆弾が信乃へと投げられた。


「この程度かよ」

信乃は一気に男との距離を詰め、爆発する前に全てを上空へと弾き飛ばした。

ただの拳で。道具も何も使わないただの体術で

ドドドドドドドドドドンッ!!!!!!!!!!

全てが上空へ爆発し、信乃は無傷で、何もなかったように近づいてくる。

今度はゆっくりと歩いて。

そして男の前に立った。


覗き込んでくる碧い眼。

空のように澄み渡ったスカイブルー。

そこにあるのは自分の中を、全てを見透かすような眼力。


男は恐怖のあまり、座り込むことすらできずにそのまま立っている。

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