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コシ=ファン=トゥッテ
第二幕その二十三
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第二幕その二十三

 そして今度はデスピーナに顔を向けて。笑って言うのであった。
「磁石のお医者様にも」
「心から感謝の言葉を」
「えっ、お医者様って」
 これに驚いたのは姉妹だけではなかった。デスピーナもだった。
「どういうことなの!?」
「もう何が何だか」
「話がわからないわ」
「世の中の全てが狂ってしまったの?」
 姉妹はもう何が何だかわからなくなっていた。そうしてその中でまたアルフォンソが出て来て言うのだった。
「まあまあ」
「まあまあじゃありません」
「どういうことなんですか?」
 まずは姉妹が彼に問うのだった。
「これは一体」
「何が何なのか」
「まず私は皆さんを騙しました」
「そうだよ」
「本当にね」
 二人は何時の間にかあの変装を解いていた。そうして完全に元の士官に戻っていた。
「おかげで地団駄を踏まされたよ」
「全く」
 顔を顰めさせてアルフォンソに抗議する。
「僕は深く傷ついたよ」
「僕もだよ」
「しかし皆さんに知恵を授けることができました」
「知恵をですか?」
「そうです。知恵です」
 こう四人に話すのである。
「生きる為の知恵です」
「これが知恵ですの?」
「どういうことなの?」
 姉妹はまだわからないのだった。
「知恵がどうとか」
「何がなのか」
「人は過ちを犯します」
 アルフォンソが話すのはこのことだった。
「それを見ることができたのですから」
「過ちを犯すとは」
「どういうことなんですか?」
 二人も彼に問うてきた。
「一体全体」
「それは」
「ですから完全な貞節なぞなく人は時として揺れ動くのです」
 彼は二人だけでなく姉妹にも話していた。
「そして過ちを犯します」
「それが今ですか」
「今なのだと」
「そうです。ですがそれを知ってより賢くなれた筈です」
 自分を囲む四人とデスピーナに話し続ける。
「これで。さあ後は」
「後は?」
「それぞれの婚姻を」
 これを勧めるのである。
「それで全ては幸せに終わりますぞ」
「幸せにって」
「じゃあ私達は」
「これで」
「一緒になれるのね」
 フェランドにフィオルディリージ、それとグリエルモとドラベッラが話していく。
「何はともあれ」
「これで」
「何か夢みたいなことだけれど」
 デスピーナはその中で呟いていた。だがその目は困惑から解き放たれ微笑んでさえいる。
「それでもいいわ。また別の人に仕掛けるから」
「さて、皆さん」
 アルフォンソは四人をそれぞれのカップルにしてまた話す。
「物事の良い面を知る人は幸せです」
「幸せであると」
「そうなのですね」
「そうです。そして」
 四人に応えながら言葉を続けていく。
「様々な事件と変動の中で常
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