四話
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放たれたものを全て潰し、服に汚れ一つない姿のまま、サヴァリスは呟く
やはり、大したものだと思う
いくら全力とはまだ遠くとも、自分が放った攻撃は、最後まで一度として当たることは無かった
武器を復元した時は向こうも本気になったかと期待し、結局逃げられてしまったとはいえ、その後の対応は見事の一言
自分にさえ通用する気配の演出に、たどることのできない程の精度の殺剄
天剣を相手にし、ほぼ無傷で逃げられる相手がどれほどいようか
そのせいで、最初は様子見程度だったはずなのに段々と興が乗り、後少し続けていれば自制がきかず、危なかったかもしれない
(そういえば、殺してはだめだと言われていましたね。危ない所でした)
まあ、彼ならば自制できなくなっても死ななそうだとは思う
(向こうからの攻撃がなかったことが不満ですが、まあ、仕方ないでしょう。まだ、これからがあるのですから。陛下にも了承されていますしね。さしあたっての問題は……)
そう思いつつ、振り返る
最初は気をつけていたというのについ自制が緩み、赴くままに力を振るいかけ、所々破壊の跡が残る町並み。この辺りは中心街から離れ、人気が殆どないのが救いだろう
町を壊すなという命令を守れなかったことを思いながら、ま、いいか。と結論づけ、サヴァリスは次の事を考えながら帰って行った
「ハァ、ハァ、ハァ。やっと帰ってこれた〜」
あれから殺剄を維持し続け、人気が多い所を選んで帰ってきたレイフォンはやっと孤児院に辿り着いて息を吐く
運動量からすればさほどのものではないはずなのに、精神的な負荷によって何倍もの動きをしたように感じられる
そして当初の目的を思い出し、袋の中を見る
「やっぱり卵が割れてる……」
他の物は大丈夫なのだが、やはり卵は先ほどまでの激しい動きで割れてしまっている。これではリーリンに渡せない
普通に考えれば、卵が割れた程度の被害ならば安いものだが、そんなことは頭にない
(どうしよう。これは僕がお菓子でも作るのにでも使って、リーリンには謝ろうかなぁ)
そんなことを考えながら中に入って行くと、既に夕食の準備が済んだのか、台所の方からエプロンをつけたリーリンが出てきた
「あらレイフォン。遅かったわね。何かあった?」
「ええと、うん。その、色々とあったんだ」
「?そう? ああ、それとよく見てみたら卵はまだ有ったのよ。私の勘違いだったみたい」
「そうだったんだ」
「うん。行かせてごめんね、レイフォン。晩御飯の準備は出来てるから、買ってきたものは仕舞っといてくれる」
「うん、わかったよリーリン」
たわいもない会話を終え、リーリンは部屋の方へ行ってしまう
言われた通りに台所に行き、買ってきた物を仕
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