蒼風の谷
束縛
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定されています。結界にも手出しできない。」
「ということは。」
「はい、外部からの介入を待つことしかできません。」
一切の脱出手段を絶たれ頼りとなる想い人と友人もいまだ戦っている。手助けのできない中で出会ったかつての敵―――シルバ・ミラーもここでは無力。
「やれやれ、様子見に来てみればこれはどういうことかな?」
「「!!」」
自分たちからは出るはずのない低い音。テノールくらいの男声。それがどこからともなく聞こえてきた。
「ふむ、サイモン様への捧げ物に付け加えるべきか。」
「誰です、どこにいるのです!」
「我はプラチナム・ミラー。鏡の騎士を統べるもの。」
「プラチナム・ミラー!?なぜあなた様が!?」
「教主様はサイモン殿との関係強化に悩んでおられる。ただクスィーの娘を差し出すだけでは不十分と考えなさった。
ちょうど、君たちは仲が良さそうだ。おまけのおかげでサイモン殿との関係が強化されそうだよ。ありがとう。」
「教主様が!?」
突然ドレッサーの鏡に甲冑姿の男性が現れとんでもないことを宣言した。
「教主様がそうお望みなら……。」
「駄目よ!あなただけでも逃げて!」
「君たちがここから出るときはすでにサイモン殿の愛玩動物だ。」
「いやよ!あたくし達はあなたたちの思惑通り動く人形じゃない!ヴェルテ!」
『Yes,Master.』
エリザの呼びかけに呼応して壁にかけてあったヴェルテが主のもとに飛翔し、その手に収まる。
「Licht・Magier!Sparkle eiskaltem(冷たき氷の輝き)!」
ヴェルテの先から冷気を纏った光線が飛び、ドレッサーを氷付けに変えた。
「無駄なあがきよ────。」
それっきりプラチナムは鏡に現れなかった。
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