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コシ=ファン=トゥッテ
第二幕その十四
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タでも」
「そうね。それかあの人とまたお話をして」
「ええ、どうぞそのように」
「じゃあ姉さんお先に」
「どうぞ」
 二人は上機嫌で部屋を後にする。残ったのはフィオルディリージ一人だった。一人になった彼女は項垂れたまま呟くのだった。
「皆で私を誘惑するのね。けれど負けないわ」
 そのことをあらためて決意するのだった。
「ドラベッラとデスピーナに本心を言ったのはまずかったけれど。それが若しあの人の耳に入ったら」
 自分の迂闊さも呪うのだった。
「二度と会いたくはないわ。今度あの人を家に入れたらデスピーナを怒って。誘惑する殿方なんて最低よ」
 ここまで言ってふと。デスピーナを呼ぶのだった。

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