暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第23話 ビーター
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敵もかなり力を増しているのだろう。ここはまず、街に戻って整えてからだと思っていたからだ。
 
 でもレイナは強い意志で続けた。

「私、彼とは付き合いは短いけど……少しは解っているつもり。だって、物凄くシャイで……そして、思春期っぽくない男の子なんだよ。……何かを、何かを、きっと抱えてる男の子。……直ぐに、1人にさせたくない。だから、少しでも話してくる。違う……私が話したいの!」

 レイナは強く訴えた。

「……うん。なら、私も行くわ」

 アスナは、妹を1人にすることは出来ない。だから頷いた。

「……オレも行こう。オレだって《元βテスター》だ。アイツ程じゃないが、2層くらいは楽勝で抜けられる」

 キリトもだ。いや、キリトはわざと大きな声で言っていた。非難を受けるのは、リュウキだけだったらあんまりだから。
 
 リュウキは、自分と違って情報も提供してくれていた。誰も死なない様に、と思って行動をしてくれていた。


――あの男が……最大の功労者なんだ。


 死者も、もしかしたらあいつがいなかったら、もっと増えていた可能性が高いからだ。エギルもリュウキの情報のお陰で命を救われたといっている。……それがエギルだけとは思えない。

「なら、オレの伝言も預かってくれねぇか?」

 エギルは、ニカリと笑うとキリトにそう言っていた。キリトは、無言で頷いた。

 そして、キリト、アスナ、レイナはその場からリュウキを追いかけた。その事と、キリトが言った元テスター・この2層くらいは楽勝の言葉。それらで、リュウキに向けられた行き場のない怒りをキリトにも向けられ。

≪ビーター≫

 その名をリュウキ同様につけられた。キリトはそれを一笑し、アイツの……リュウキの言っていた事は正しいとこの場の全員に告げると、その場から離れていった。


 


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