暁 〜小説投稿サイト〜
RPG WORLD ―ろーぷれ・わーるど―  〜復讐の少年〜
一章  出会い
会議
[1/2]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
『――いや――のほうが―』

『バ――にを――ってる』

大人たちがアリの巣の対策を立てようとしている。

...はっきり言って僕がここにいる意味はないんだけどなぁ...。

オランドゥさんに言われたからいるんだけど。
でもまだ使ったことのないスキルの確認もしたいしなぁ...。

「ソラさんはどう思います?」

「へっ?」

そこで、急にオランドゥさんに話を振られる。

「村でクエストを出すか、という話です。 しかし、強い人を雇うとお金がかかってしまい...」

「う〜ん...別に僕一人でも行けない事はないけど...できれば、あと一人は高レベルの仲間が欲しいところだね」

こんなときに大地や、波音がいればなぁ...。
そう思い出して、少し悲しくなる。

でも、今悲しんでも仕方ない。二人だって、そうするはずだ。

「恐らく、ジャイアントアントが孵化するまで、最低でも、後5日はあるでしょう。明日一日使って、僕が外側からどんどんガードアントを削ります。二日目で一度中に入って調べてみましょう。一応非常脱出用のアイテムを持っているので、非常時はそれを使ったのちに、ここまで帰ってきて、僕がお金を出してクエストを出します。2日半立って帰ってこなかったら、僕が死んだと考えて下さい。そして早急にクエストを出してください」

僕がこの案を出すと周りがザワザワし始めた。
まぁ、当り前だろう。こんなどこの誰だかすら知らない、僕のことを信じきれるはずがない。

...でも、信じてもらわないといけないんだ!

僕は、誰にも見られないようにステータス画面を開き、そこから全財産の二分の一――50万を取り出して、机の上にドン、と置く。

「僕が死んだ場合は、このお金でクエストを出してください。恐らく、報酬がこの額なら高レベルの人も飛びつくでしょう」

「ほ、本当にいいのですか?」

男の人に聞かれる。

「ええ。もし足りないならもう少し出しますが?」

「いえいえ、足りないなんてとんでもない...!」

言わなかったが、信じてもらうならこれくらいはしなきゃね。

その後、再びザワザワと話し声。恐らく、僕が信用できるか審議しているのだろう。

と、ザワザワしていた声が止み、オランドゥさんがこっちを向く。

「では、ソラさんの案を採用してもいいですか...?」

「いいも何も、採用してほしいから意見を言ったんです。採用してほしくない案を言うバカはいません」

「それもそうですな」

そしてハハ、と笑うオランドゥさん。

「では、報酬のことなんですが...」

「ああ、いりません」

「どれくらい...ってえ!?」

今度はびっくり顔になるオランドゥさん。

...
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ