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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#7 助けられた命
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 無数にいたモンスター達だったが、炎……炎龍(サラマンダー)を見て、仲間達が殺られていったのを見て、戦意喪失した様だ。一目散に入口に向かって逃げ去っていった。

 それを確認したアルは、戦闘体勢を解き、炎龍(サラマンダー)を消した。

「………ふぅ、よかった。逃げてくれたか……」

 アルは、逃げ去るモンスター達を見て 安堵のため息をしながら、腰を落とした。強大な力を得た、と言っても 戦いをしたのは初めてだ(恐らく)。……慣れない力を使ったせいもあって、身体に極度の疲労感が襲ってきた。
 緊張が解けたから、と言う理由もあるだろう。

「おにいちゃんっっ!!!」

 そんな時、アルは背後に軽い衝撃を感じた。サラが、思い切り、アルの背中に抱きついたのだ。殆ど体当たりだろうか。。

「おっ おにいちゃん……へーき??ケガしてないっ!? ああぁん おにぃぃちゃぁぁんっ!!」

 サラは泣きながら アルの背にすがりつく。丁度耳元で、更に大声で泣いていた為、多少耳に響いてきたけれど、……それが、心地よく感じるのはサラが無事だったからだろう。

「ああ、大丈夫、大丈夫だよ。 ほんとに、サラも……無事でよかった……」

 サラの回された手を、握った。……本当は、正面から抱きしめたかったけれど、背中からだったから。

「ははは… 本当に…本当に……良かった……サラ……」
「うああああん!おにぃちゃぁぁん!!」

 サラの遠慮のない泣き声は、場に響き渡る。初めて命の危険を感じて、更に大好きな人が、……いなくなってしまうかもしれないと言う怖さ。そして、解放された安心感。……それらを一気に体感してしまったのだから、仕方が無い。

 そして、やがて泣き声が聞えなくなった。

「おにい……ちゃん………っ」

 サラは、安心しきった為、眠ったのだ。

「すー…すー…すー…」

 寝言と、そして規則正しい寝息も聞こえてくる。……無理もない。追先、襲われかけていたのだから。小さいサラにとって、凄まじいストレスだったのだろう。
 緊張から解放されて、更にアルに抱かれている時、安心しきって眠ってしまったのだろう。

「よしっ……。帰ろう。……サラ」

 サラを抱きかかえ町の方へ向かった。





 アクゼリュスの町の方では、被害こそ少なかったが、まだ少々モンスター達はいた。坑道の入り口付近に男達が集まり抗っていたのだ。その事から、モンスター達の発生源は、坑道内からだった様だ。
 町の状況から、何体かは町に入った形跡はあったが、全て撃退していた。まだ予断を許されないが、少なくとも事態は収拾に向かっていると感じた。

 アルは、サラを背負い安全を確認していた時。

「ガーランドさん!!」

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