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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#7 助けられた命
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力が抜けたのか、背中にそして、腕に鈍い痛みが走ったのを感じた。本当に自分の身体なのか? と思える様な痛み。『痛い』と言うより、『熱い』と言う表現が合うだろう。

「あ……ぐっ……」

 そのせいで、アルは膝を地面についた。

「「アル!!」」

 2人はアルを抱え傷を確認した。腕には切り傷が出来ていて、止血は出来ているものの、痛々しい。中でも一番酷かったのが、背中の傷だ。
 強く、打ち付けたのだろう。傷と言うより黒く変色している。

「こいつは……ひどい……。……お前、ここまでの傷を負っているのに、サラの事を……」
「アル……」

 傷を見てサラとガーランドは悟った。この傷は恐らく、サラを庇って出来た傷なのだろう、と。眠っているサラには 傷等ひとつない。所々汚れた箇所や、服が破れていたりしたが、それは遊びにいく時は、大抵つけるので日常茶飯事の事だ。

 ……レイは、アルを優しく抱きしめた。そしてガーランドもまた、レイとアルを包み込むように抱きしめた。

「こんなになるまで…… サラを護ってくれたんだな…… アル……」
「ありがとう……ありがとう…ありが…とう……。すぐ、傷の手当をするわね」

 レイは涙を流しながら……ガーランドは声を振り絞りながら言った。

「ははは…… 安いもの…ですよ。 サラの命に比べればこのくらいの傷……何でもないです」

 アルもまた、2人を抱きしめ返した。先ほどから感じる傷の痛みはまだあった。熱いと感じる痛みは、2人の抱擁が効いたのだろうか、痛みは引き去って、とても心地よかった。

「す、すまんアル。痛かったか?」
「いえ、大丈夫。……温かかったです」
「ふふふ……、さ、アル。こっちに来て」

 暫く抱きしめられていたが、アルは傷の治療を。そして、ガーランドはまだまだすることがある、と再び町を護る為、外に出て行った。

 アルは出ていこうとしたガーランドを追って行こうとしたが、勿論レイとガーランドに止められた。まずは傷の手当てをしろ!って凄い剣幕で。

「はい!大丈夫ですよ…… レイさん。 それに…オレにはこれがあります」

 すっと立ち上がると、他の怪我人の所へ行き、しゃがみこみ怪我人に手を当てた。すると、温かい光が対象者である怪我人を包み込み、傷が治っていった。

「!!そっ……それは治癒の譜術…… 第七音素(セブンス・フォニム)? アル……あなた第七音譜術士(セブンス・フォニマー)だったの? という事は……ひょっとして記憶が!?」

 アルの治癒の力に驚き、そう聞く。これまで共に過ごしてきて、一度も見てなかったからだ。

「いえ…… なんて言えばいいんですかね…… 洞窟で魔物に襲われたショックで? かな。 何か思い出したんです。オレが使
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