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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#6 覚醒
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飛び……心が揺さぶられる。
『早くせぬと……
その娘
(
・・・
)
が死ぬぞ?』
「っっ!!」
その声に、
その娘
(
・・・
)
と言う言葉に強く反応し、時が止まっている、と思っていた世界で、鼓動さえも止まっていると感じていた世界で、どくんっ! と鼓動が高鳴る感じがした。
そう、今は判らない言葉よりも、判らない声よりも……目の前にいるサラの事だ。もし……その声の通り、身を委ねる事で、力を解放する事で、彼女を助ける事が出来るのなら。
「……お願い、あの子を、あの子だけは、助けて、助けてくれ。オレに出来る事なら、何でもする。お願い……っ!」
アルは、 今の想いのその全てを
あの声
(
・・・
)
にぶつけた。想いが形に……、声に、言葉に変わったのだ。
――サラを助けてくれ、と。
(我が声……身を委ねろ 主なら……… さぁ自身を解放しろ!)
光り輝く何かが、アルの体に流れ入った。そして、その光が終わると同時に、
《世界》が再び動き出した。
世界に色が戻ってくる。そして、止まった時が動き出す。動き出すのは彼女と、モンスター達、そして自分自身。
「いやああああ!」
サラの叫び声が場に響いた。そしてモンスター達の唸り声も。
「っ!!」
気付いたら、アルは、サラとモンスターの間に割って入っていた。
「お、おにいちゃんっっ!」
サラは、目の前に入ってきている正体がアルだとわかった瞬間叫ぶように声を上げていた。
「……遅くなった、ゴメン、サラ!」
絶望的な状況なのは変わらない。でも、絶望感は身体から消え去っていた。まだ無数のゴーレム、ウルフが眼前に存在していると言うのに、全くと言う程に。
その訳は、判る。あの声が消え、世界が動き出した瞬間から、身体の底から力が湧くような感覚が走ったのだ。
それは、単なる腕力じゃなかった。頭の中に描かれる図形、そして言の葉。それは譜術の力。
直ぐにその頭の中の図形や言葉が譜術の力だと判ったのは、以前 その術、音素に関する教本も見せてもらった事があるからだ。
だから、直ぐに理解出来た。そして、使い方も直ぐに。
絶望感が身体から消え、力を得たとは言え、あまり考えている時間は今は無いのも事実だから。今、目の前にモンスターが迫ってきているからだ。
アルは、素早く構えた。
「……我らを護れ聖なる盾。 干戈を和らぐ
障壁
(
かべ
)
となれ」
詠唱を続け、最後に掌を突き出す。鮮やかな光、白い光がアルとサラを包み込む。
「ミスティック・シールド!」
唱え終わった瞬間、2人を包み込む光は、光の壁となり具現化し
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