8話 林道 五也side
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ている。
普通だと思うんだがな、見つかったら言い訳ができない深夜に比べて、明け方ならその家族さえいれば早く来すぎたと言えばいくらかは通用するだろうしな。
「そ、それはそうと五也くんは昨日の花火気づいた?」
「花火?」
なのはの言葉からするに花火というのは、やはりこの場合個人で購入できるようなちゃちなものではないのだろう。
恐らくは夏祭りなどで打ち上げられる、本格的なものを指すのだろうと推測できる。
だが生憎とそんな記憶は存在していない。
「何でまたそんな話を急に?」
「家の庭見たよね?」
「ああ、あの劇的な変貌を遂げた庭のことか」
「うん、あれね昨日私が寝てる間に花火が間違って落ちちゃったんだって」
「いやそれは」
ないだろう、と言う前に唇に人差し指を当て、必死な表情でこちらに何かを訴えかけている美由希さんに気づく。
その仕草に俺はとっさに言葉を飲み込み方向転換をする。
「………誰から聞いたんだ?」
「お兄ちゃんとお姉ちゃんからだよ?」
唐突な質問になのはは首を傾げながらも答えてくれた。
………まあ、後ろの様子を見るに明らかに嘘だろうな。
「……そうか大変だったな」
無難な対応で流しておくことにした。
「うん、朝起きたら庭があんなんになってたからびっくりしちゃった」
俺はそんな嘘を信じれるその純粋さにびっくりしている。
それ以前に美由希さんにシスコンよ、あんた達はそんな見え透いた嘘にあっさり騙される妹に不安にならないのか?
「おい、置いていくなよ」
「そうっすよ、何で俺をシスコンと一緒に置き去りにするんすか」
そんな事を考えていると後ろからシスコンと武藤が合流してきた。
というか結局呼び方はシスコンになったのか。
「お前等が仲良くいちゃついているから放置してやったんだろうが」
「気持ちの悪いことを言うな!」
「何が悲しくてこんなシスコンといちゃいちゃしなくちゃなんねえんすか!」
「お兄ちゃんにそんな趣味があったなんて……」
………まさか信じるとは。
「そんな話信じるなよ美由希!」
「うん、大丈夫。私は何があってもお兄ちゃんの味方だから」
「頼むから話を聞いてくれ!」
必死なシスコンの説得もむなしく、美由希さんは明らかに目をそらしている。
「ねえねえ、大輝くんお兄ちゃんに何の趣味があったの?」
「いや、まあそれは子供が知るにはまだ早いことっすよ」
なのはの純粋な質問に思わずたじろぎながらも、武藤は必死に答えを捻り出した。
だが残念ながら、今の俺たちの見た目は完璧に子供だ。
「じゃあなんで大輝くんだって同い年ぐらいな
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