暁 〜小説投稿サイト〜
鋼殻のレギオス IFの物語
十九話
[前書き]

[8]前話 [1]本文 [2]次話
いままで見たこともない光景に男の子達は驚きます。
 綺麗な川が流れている草原ではその緑をゆっくりと眺めました。
 闇の中、光る城大きな城には感嘆の溜息を零しました。
 女の子が男の子にその光景をどう思うのか聞きます。通して見るのではなく、実際にその場で、その目で見た意見も聞きたいと。
 思うがままに、聞く相手が楽しめるよう、思い浮かべられるよう知恵を絞って男の子は語ります。聞く相手が笑えるようにと。
 色んな場所を、色んな光景を語りながら男の子達は進んで行きました。

 夜になると歩くのは御終いです。
 辺り一面真っ暗なのは変わりませんが、夜は眠る時間なのです。
 眠っている間に進むのはずるいと、行く先々の世界は一緒に見るのだと言われ、男の子は歩みを止めるよう言われました。
 その通りだと納得し、男の子は歩くのを止めると約束しました。

 けれどそれは嘘でした。
 眠りきったのを確認したあと、男の子は歩き始めます。
 いくら先の光景が楽しみでも、暗闇なのは変わりません。相手も大変なのです。早く出られるに越したことはありません。
 自分が話さなければいいのです。いざとなれば場所の少し前で止まっていればいいのです。
 目が覚めた時に少しでも進んでいるように、声の相手が少しでも早く暗闇から出られるように。
 男の子は眠っているあいだも歩みを進めました。
 誰にも気づかれぬよう、静かに歩みを進めていきました。
[8]前話 [1]本文 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ