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鋼殻のレギオス IFの物語
十九話
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「あ、やっぱりいましたね」
「久しぶりですねえ。帰っていたのなら教えて下さいよ」
「全力でお断りします」
 
 サヴァリスに向け笑顔で返す。
 クラリーベルならいい。なんだかんだで常識で考えてくれるし話も結構通じる。出稼ぎ前、最後の言葉もあるのだろう。レイフォンの中で彼女に対しては好意も大きい。ランダムエンカウントの好敵手の様なイメージに近い。
 だがサヴァリスは話が通じるが常識を知った上で無視してくるので苦手だ。嫌いではないしどちらかといえば好きな方に分類される。悪い人ではないが良い人では絶対にないという認識だ。強制エンカウントのボスの様なイメージだ。かなり遠慮したい。
 
 レイフォンの返事を受けサヴァリスは小さく嗤う。

「くく。そんなにはっきり言われると悲しいですね」
「その割には全然悲しそうではないのですけど……」
「これは失敬。それにしても少し変わりましたね。そんなにはっきり言うとは驚きましたよ。ああいえ、そっちの方が僕としてはイイですけど」

 にこやかに言われレイフォンは言葉につまる。拒絶しても一切気にしないのだからタチが悪い。
 だがそれは最初に会った時から分かっていたことだ。今更思ってもしょうがない。
 そもそも何のために来たのだろうか? 血気だった雰囲気も気になる。
 そう思って聞こうとすると、クラリーベルの視線は別のところに向いていた。

「そう言えば、彼女は誰なんですか?」

 視線をたどるとそこには別の部屋に行っていたはずの四人が。声を聞いて見にでも来たのだろう。クラリーベルの視線はその中の一人、アイシャへと向いている。また、アイシャの視線もクラリーベルを見ている。

「……そういえば、この前いましたね。忘れてました」

 半ば睨むような視線をクラリーベルはアイシャに向ける。先程まで纏っていた気配はいつの間にか収まり、一転して静かになっている。
 その変化が気になるのか一切気配に変化のないサヴァリスもアイシャに興味を向ける。
 この前というのは帰ってきたばかりの時のことだろうとレイフォンは思う。いきなり勝負を仕掛け、そして負けると直ぐに帰っていくという通り魔のような犯行をした時だ。確かにクラリーベルは気づいた様子がなかった。というよりはレイフォンとの試合で目に入らなかったというべきか。
 
「“面白そう”な子ですね。紹介してくれますかレイフォン?」
「いいですよ」

 矛先がずれるのならば歓迎だ。
 そう思いアイシャを呼ぶ。やはり武芸者だからか目の傷を気にした様子もない。
 どう説明したものかと思い、とりあえず新入りだと答える。
 だが説明が足りなかったのかクラリーベルが疑問を言う。

「帰ってきたばかりの時一緒にいましたよね。どうしてですか
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