十九話
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」
「自慢みたいになっちゃうけど僕は強いほうだと思うよ。でも、僕より強い人も結構いる。都市全体としてはどうなんだろ……平均は強いと思うけど、シュナイバルみたいな事もあるしなぁ」
ジルドレイの事を思い出しそう言う。
背後からリーリンがそれに対し言う。
「それって、手紙に書いてあったお爺さんの事よね。確かレイフォンが負けたっていう」
「うん」
リーリンの言葉に頷く。その言葉を受けアイシャは驚いたように軽く目を見開いているが事実なのだからしょうがない。
少し、あの時のことを思い出す。
明からさまに手を抜かれた挙句惨敗した。後から思えばあれはこちらの力を見ていたようにも思える。
向こうから積極的に仕掛けることはせずこちらの仕掛けを真っ向から潰したり、迷いを見抜いて助言をしたりもしてくれた。
力を見定めるように、かつて養父が自分を鍛えた時のような雰囲気に近かった気もする。
まだいくつか奥の手があり実力を出し切っていないようにも思えたし、少なくとも天剣級かそれ以上の力があった。グレンダンの天剣より上を知らなかった自分にとって、他の都市にもそれに比肩するだけの力があるのだと知れた。
(まあ、考えてみれば天剣には他都市出身の人もいるから当然だったけど)
得たものもあったし、思えばいい経験だった。
「どんな話か聞いていい? それ」
「ん? ああ、そういえばアイシャは知らなかったけ」
思い返せば言った覚えがない。
なので簡単に説明するとアイシャは軽く考えるように虚空を見上げ、呟く。
「どこにも強い人はいる、か」
「うん。そう思うよ」
「ベリツェンにもいたのかな?」
「うん、多分いたと??」
「……いたら、皆死ななかったのかな」
(……重い、重いよ!)
小さく呟いたアイシャに何を言えば良いのかわからなくなる。
助けてリーリン! とばかりにそちらを向けば視線を逸らす幼馴染が。他の兄弟たちは知らないがデルクとリーリンにはアイシャの事情を言ってあるのだ。
「いや、でも強くても汚染獣は一体倒すのにも時間かかるものだよ? たくさんいただろうし、運が悪かっただけだと」
「一撃で倒したよね、レイフォン。覚えてる。あれくらいならたくさんいても平気だって聞いた」
「……あ、うん」
「ここの今までの汚染獣の記録とかある程度見たけど、危なくなったことなかった。天剣っていう人一人でなんとかなるって」
「……そうだね」
「私の都市、弱かったのか。……まあ、別にいいかな。……………」
感情を込めず事実を詠うように告げるアイシャにレイフォンも目を逸らす。幼馴染どうし、する行動は一緒である。
何か小さく呟いたようだが活剄をしていなくてよかった。反応に困る。
「近所にい
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