暁 〜小説投稿サイト〜
鋼殻のレギオス IFの物語
十九話
[15/24]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
力系衝剄変化・渦剄

 渦巻く剄が壁の役割を果たし背後からの襲撃者、クラリーベルの邪魔をする。その隙に前進し地に向かい体を落とす。
 頭上を過ぎた拳の音を聞き、重心を据え腰を捻り足を地に付け踏み込みの姿勢を形成。傾いた体を起こす勢いを利用し高速の裏切上を目の前の相手に放つ。
 地に這うかの様な姿勢からの高速の剣。その低さ故無用に沈めば切られ、引かば踏み込みが深く追う。だがその相手、サヴァリスは向かう剣の腹を横から殴りつけるという妙技にて剣を払う。鈍い音と共に剣が狙いからズレその体のすぐ傍を空振りする。

 笑顔を浮かべながらサヴァリスはそのまま蹴りをレイフォンに向け放つ。レイフォンは向かってくる蹴りに踏み込み足を強化。全力で地を蹴ると同時にそこから衝剄を下に放つ。宙に浮いたレイフォンをサヴァリスのケリが打ち抜く。が、衝剄によって足場である屋根を揺らされたその蹴りは勢いが僅かに殺され、その間にギリギリレイフォンは剄を練り蹴りの衝撃を和らげる。

 蹴りの勢いに二つ先の建物の屋根まで体が飛ばされたままレイフォンは全力で逃げようと足に込めた剄を爆発、旋剄で逃げようとするがクラリーベルの剣がその行く手を遮る。
嬉々として向かう刃にレイフォンは自分の刃をぶつける。
 一合、二合、三合……狭い屋根の上を駆け、刃ぶつかり合う圧力に飛ばされ足場が次々に代わる。
 
 十を数える前に自分も混ぜろとばかりに近づいていたサヴァリスが剄を放つ。
 サヴァリスの蹴りと共に真空の刃がレイフォンはおろか共にいるクラリーベルをも巻き込むように繰り出される。
 その刃に対しレイフォンが選ぶ選択は迎撃ではなく回避。何故ならサヴァリスが放つは技でなく武にして舞。その名を疾風迅雷の型。型の動きに合わせ振るわれる足から真空の刃を放ち続ける舞。後になるにつれ剄の練が上がり刃の機動の複雑さ、速さが上がる。故にその場に足を止めるという選択を二対一の現状で行うわけには行かない。

 クラリーベルの刃を弾き向かってきた真空の刃を躱す。見ればクラリーベルはその場に留まり抜き打ちにて真空の刃を切り払っているが気にしている余裕はない。
 このまま逃げようか? そう考えるがまるでそれを見越したかのように刃の数が増えていく。いくつもの屋根の上を動き必死に交わす。右に、左に、回り込んで斜め上からと不規則に不可視の刃が向かう。逃げたい、が、近くで体育座りをした不満気なクラリーベルが視界に入る。レイフォンの周りにある真空の刃の性で参戦できない為おあずけ状態なのだろうが、逃げようと距離を取れば彼女が嬉しそうに混じってくるのは考えるまでもない。

 このまま避け続けていてもサヴァリスの刃は数が増え威力が上がっていく。最後まで避けられるか心配だ。鎌首を擡げ首筋を狙ってきた刃を剣で受け流しながら
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ